マンションの地震対策 (岩波新書) |
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■ 【神戸・淡路大震災後のマンション再生】 1995年1月の兵庫県南部地震のマンションの住民は、そ の後どうなったのか?「建替え」か、「修繕」か?俗に言 う「マンション法」は、大改正(1984年1月)から10年後に 起きた大惨事に直面し、有効に機能したのだろうか?そ の時、管理組合は?住民らの苦渋の選択はどうだった のだろうか?それらの疑問に答えてくれる回答が、いく つか本書には提示されておりました。 ■ 【被災物件の諸判定の混乱がもたらす綱引き】 地震直後に行われる『応急危険度判定』において、「赤」 ステッカー(「黄」、「緑」の3種)が貼り付けられ、発生か ら暫く経ってから行われる『被災度区分判定』で「大破」 判定(「軽微」から「崩壊」の5段階)。それともう一つ『罹 災証明』においての「半壊」判定(「全壊」から「一部損 壊」の3区分)以上の様な判定結果が出たら、あなたなら どうするか?更に、公的支援策はと言うと、『建替え』で あれば「公費解体」を始めとして5〜6ある支援策に対 し、『修繕』ではというと数少ないという実情。だがしか し、5年後の調査では、実に5%しか『建替え』を選択して いない現実を報告しています。 ■ 【(分譲)共同住宅=区分所有法規定物件です】 我が国では、欧米風のマンション(共同住宅)の歴史は 浅く、最近の同潤会アパートの建替え問題が、被災した 例ではありませんが、一つの未来を示すモデルとして取 り上げることが出来ると思います。(代官山、青山、江戸 川橋などがありますが、いずれも困難を極めました。) ■ 【「区分所有法」による諸規定】 被災マンションの再生への処方箋は、幾通りもの選択肢 があること。又、その為には、管理組合のあり方が問わ れ、ややもすると間違った選択もあることを、著者は専 門家の立場から具体例を挙げて考察しております。全体 的に、「地震」、「共同住宅」、「管理組合」という難解な テーマを極力、易しく、読みやすい著書にしております。 本書はマンションの住人が地震に対して事前の予防をどうするかではなくて、大地震に遭遇してマンションが全壊か半壊か、建て直しか補修か、管理組合はどうするか、大きな被害を受けたマンションの住人の行動を教えてくれる。岩波新書の新赤版らしくしっかり書かれた書である。特に兵庫県南部地震で被災したマンション5箇所(自主再建のモデルのグリーンハイツ住吉、団地内の1棟のみ建替えの神陵台東住宅53号棟、補強工事で復旧の芦屋川アーバンライフ、マンションを一新した朝日ヶ丘レックスマンション、最高裁までいったグランドパレス高羽)の復興事例は大いに参考になる。いずれにしてもマンションが大地震に襲われれば、倒壊しなくともその後の復興に住人の意思統一は心してかかる必要がある。「首都直下地震 震度7」(PHP文庫)は、大地震発生の時から逃げる、彷徨う、生き残る人の話、「高層難民」(新潮新書)は、高層マンションに住み、生き延びる術を教えてくれ、帰宅難民、避難所難民のサバイバル法を身につける書である。今後数十年内に必ず起こる大地震、起きる前の保存飲食類、起きたらどうするか、帰宅はどうするか、避難所でどう生きるかに際して、これら3冊は読んでおくべきと思う。 マンションの地震対策 (岩波新書)を楽天で検索 |