映画の仕事はやめられない! (岩波ジュニア新書 (523)) |
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著者は西友やシネセゾンを経て、現在は映像コンサルティング会社の代表を務める人物。著者自身の学生時代から現在の仕事に携わるまでの経緯を中心に綴りながら、あわせてプロデューサーや撮影コーディネータなど映画産業に関わる(おもに女性)人々を紹介した岩波ジュニア新書です。 表題からは監督や俳優、脚本家やカメラマンといった、どちらかといえば多くの一般読者が「映画の仕事」としてイメージしやすい職業を紹介しているのかと想像するかと思います。確かに監督業を務める人物についても触れていますが、どちらかといえばそういう目だった位置で映画作りに関わる人々よりは、配給宣伝やコーディネーションといった映画産業の“川下”や縁の下の力持ち的存在、つまりそれほど頻繁にスポットライトを浴びるとはいえない職種を紹介しています。その点では珍しい本ともいえるでしょうし、同時に、多くの読者の期待する域を描いているとはいえないかもしれません。 気になる記述があります。 「女性は一般的に細やかで、神経が行き届くのだけれど、どこかでズ太い。その意味で、映画宣伝は(中略)土壇場では精神的にタフな女性に向いている仕事だと思います」(108頁) 職業の向き不向きを性別で判断する考え方は大変危険です。女性に向く仕事があると主張した途端、職業は性別に左右されるものだという考え方を肯定することになります。「これは女性より男性向きの仕事だ」という物言いがいかに差別的であるかを指摘してきた人々にとって、「これは男性より女性向きの仕事だ」という主張もまたいかに差別的に響くことか。中高生の読者には真似してほしくありません。 映画産業のさまざまな職種について知る参考図書を最後に一冊紹介しておきます。 ジェイスン・E. スクワイヤ「映画ビジネス 現在と未来」(晶文社) 女性として映画業界に携わる著者による 映画製作から流通までの模様を描いた新書です。 将来、映画業界への就職を考えている人は読まれるといいでしょう。 また女性が映画の仕事を手に入れることの難しかった「古き」時代のことを語りつつ、 現在映画業界で活躍されている女性の方々の説明があります。 映画の仕事はやめられない! (岩波ジュニア新書 (523))を楽天で検索 |