タンポポ・ハウスのできるまで (朝日文庫) |
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建築の本を色々読んでしますが、建築家の芸術家臭に違和感を感じています。 見てくれって、そんなに大事なものなのでしょうか? 世の中を見回すと、美容や化粧、装飾的な服や雑貨などがあふれています。多分、多くの人は「大事」ということなんでしょう。 わが国が、伝統や良俗を捨てて金儲けに走った反動であるのは理解できます。マスプロダクツ(直線的、ツルピカ的)、規格化・画一化拒否は、見てくれにアイデンティティーを求める人にとって、生理的欲求なのでしょう。 でも、著者が好きというふさふさと毛の生えたような建築は、RCやエアコン・文明の利器を覆い隠す(化粧する)ためであるのならば、金持ちの道楽としか言えないと思う。 RCに「自然(太古)」という化粧をほどこしたこの家は、いったい幾らのお金、どれほどの資源を使ったのだろう? 機械や楽器、生き物が、機能最優先でつくらられているのに自ずと美しいということを考えると、人為的化粧(人為的美の創造)はむなしいと思います。 著者は東大の建築学のセンセイだ。でも、建築の歴史を調べるのが専門だから自分で設計したのは大学の卒業設計(小田和正と同期)だけだった。それが、ひょんなことから、故郷の「神長官資料館」の設計を手がけることになった。本書は神長官資料館と彼の自邸であるタンポポハウスについて、顛末や設計思想の背景を余すところなく、しかも素人にもわかりやすく描いてくれている。 製材や壁材などで徹底的に旧来の技術と自然素材にこだわり、当然ながら、様々な困難が出現するが、職人との出会いやアイデアが生まれ、問題が解決される様子は感動的。本を読んだ2ヶ月後、ぼくはこの本を片手に諏訪を訪ねた。 タンポポ・ハウスのできるまで (朝日文庫)を楽天で検索 |