ようこそ、おまけの時間に (偕成社文庫)

ようこそ、おまけの時間に (偕成社文庫)

売れ筋ランキングようこそ、おまけの時間に (偕成社文庫)  
ようこそ、おまけの時間に (偕成社文庫)

ようこそ、おまけの時間に (偕成社文庫)


価格:¥ 735(税込)
偕成社  (1989-12)
/岡田 淳/
単行本 220ページ
売れ筋ランキング:233510
手にえがかれた物語 (新・子どもの文学)
リクエストは星の話 (偕成社文庫)
ムンジャクンジュは毛虫じゃない (偕成社文庫)
雨やどりはすべり台の下で (偕成社文庫)
学校ウサギをつかまえろ (創作こどもクラブ)

ある日、松本賢は、お昼のサイレンが聞こえて、瞬きをすると、茨(いばら)にとじこめられた不思議な世界にワープしている。同じ教室、同じクラスメート、でも、全員が身動きが出来ないほどに、茨にとじこめられて眠っている世界に、突然いることに気がつく。茨から開放されたものは、めざめることができ、両方の世界であったことを覚えている。

いきなり始まるこの状況はとても面白い。きゅうに迷い込んだこの不思議なわけのわからない状況のなかで、作戦を考え力をあわせ、助け合って賢たちは、6年1組の教室から、学校中の茨をきりひらいていく。

この象徴的なお話の展開のなかで、賢たちは元気に動いている。生き生きとして、楽しそうだ。よんでいても、これって、絶対面白いだろうなあと思う。サイレンの音にめざめて、「おまけの時間にようこそ!!」という聡のこえを聞いてみたいと思ってしまう。
岡田淳さんらしい、ドキドキするファンタジーの世界だ。


これが数々の岡田淳の名作の中でもそう知名度が高くないのが本当に不思議だ。 その学校には午後十二時になると鳴り響くサイレンの音が聞こえる。 ぼんやりとしていると他人に批評される主人公の少年はそれを聞いてふと気付いた時、彼はイバラに囲まれて自分の席に座っていた。

辺りを見回すとクラスメイト達すべてが彼と同じようにイバラのつるに覆われて自分の席に腰掛けていたが、誰も彼もが目を閉じてイバラのつるに絡まれて死んだように眠っているのだ。 学校の中に張り巡らされたイバラは、生徒達個人個人をも取り込んで蔓延る。

たった一人、その中で目覚めた少年は自分のイバラをカッターナイフで切り裂き、そこから抜け出すと他のクラスメイトを囲むイバラも切り始めた・・・・・

十二時のサイレンの音と共に始まる、不可思議な世界。奇妙な空間。やがて目覚め始めた生徒達はそれをおまけの時間と呼びだす。

誰もが学校の中で、固い校舎の中で、行き詰まる思いしたことはないだろうか? あたかも傷つけることはないイバラのつるに縛られて、眠りつづける生徒達のように。 イバラを取り除くと目覚め始めた生徒達は、鉈やカッターやナイフを持ち出してそれを切り裂く。

昨今、問題になっているそれらを手にして、彼らは見事までに使いのける。ナイフや鉈を小さな手に握り締めても、彼らはそれを互いに向けるのではない。自分達を拘束し、学校中をがんじがらめに縛り付けるイバラのつるを切り裂いていくのだ。 誰もがハッとするではないだろうか? 学校中を、そして自分達をも取り込んだイバラの強大な姿に。

だが、これを風刺的だ、象徴的だなどと考える必要などない。全くない。そんなものはすっ飛ばしてもいい。 下級生から上級生まで一丸となって自分達を縛るイバラを切り裂いて行く生徒達の一人にあなたもなったとき、それは必ず痛快なまでの心の安らぎをもたらすことだろう。


ようこそ、おまけの時間に (偕成社文庫)を楽天で検索