白紙の散乱 (角川文庫)

白紙の散乱 (角川文庫)

売れ筋ランキング白紙の散乱 (角川文庫)  
白紙の散乱 (角川文庫)

白紙の散乱 (角川文庫)


価格:¥ 609(税込)
角川書店  (1993-04)
/尾崎 豊/
文庫 135ページ
売れ筋ランキング:152965
幻の少年
再会―封印を解かれた10万字
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ありがとう―尾崎豊 ラストメッセージ
地球音楽ライブラリー 尾崎豊 (地球音楽ライブラリー)

とても抽象的な言葉で、自分の内面を表現している。読んで浮かぶイメージはどれも寂しくて、何度も読むたびに痛いほどの孤独が伝わってくる。そんな中でも小さな希望をみつけ、それに向かって一緒に歩いてくれる人、それか向うで待っていてくれる人がいることを望む。シンガーソングライターであり作家であった彼は、秀でた詩人でもあった。そして同時に優れたフォトグラファーでもあった。
尾崎豊を、ただ学校にグレた不良だと単純に認識している人が多数であるように見受けられるので(世間的に)、僕は違うといいたい。
尾崎豊を理解してない人は、彼の“本当の言葉”をキレイゴト、もしくは、単純に良い言葉ととりがちだ。
バイクで夜にいわば逃亡するのはただグレて不良なのではなく、とにかく漆黒の闇に消え去りたかった。暗さが好きであり(あるいは嫌いかもしれないが)、“自然”の風が心地よかった。だから自然に溶け込みたいともいえる。と僕は思う。
大げさにいえば、この欺瞞的な社会がイヤであり、その欺瞞に気付かない鈍感で安住する人たちも嫌いであり、しかもそれを嫌う自分も嫌いなのだ。(三島由紀夫が、民衆ののほほんとした日常性を嫌悪するに近く)
そしてその疑問を投げ掛けると、“よく考えもしないで”邪険に扱う、自分は賢いと思い込んでいる高慢で冷ややかな態度の愚かな大人にはまさに嫌悪であって、そういう意味からの大人への反抗である。と思う。
思索もしないで、大人はどうとかなんとか言う、安易な考えをするなんとなく流行に乗っちゃうような人がほとんどなのではあるまいか。
この詩集は安易なものではない、ということです。
また、この本にのせられている写真についてだが、作家の安部公房を思い出す。
私の持っている多くの詩集のなかでも、特別な一冊です。
もし「(ミュージシャンとしての)尾崎豊に興味がないから」という理由でこの本を手に取らない人がいるなら、実にもったいないです。また、芸能人が気まぐれで書いたような内容でも決してありません。

研ぎ澄まされたナイフのような感受性で、彼は人を、街を、そして自分自身を見つめ続けます。そのあまりに真摯な眼差しに、こんな風に生きるのは辛いだろうな、と読んでいてふと母親のような気持ちになることもあります。けれどきっと、彼が彼であるためにはそうあらなければならなかったのでしょう。

この詩集の核となっているのは、逃れようのない「孤独」です。読んでいて心臓を締め付けられるような詩が殆どです。けれど一方で、彼が作った歌と同じように、人間に対する無償ともいえる優しさもまた、にじみ出ている詩集です。
誰にでも理解しやすい詩ではありません。けれど殺伐とした毎日に心がささくれだった時や、どうしようもない孤独感を感じる時にこの本を開くと、嘘のない彼の言葉に、私は不思議な安らぎをもらうことができるのです。

馬鹿馬鹿しきは 世間の夜の笑い声に似て
すがすがしきは 孤独の笑顔だけ
(本文より)

ファンの方はもちろんのこと、そうでない方にも、ぜひ。

胸がただただ締め付けられます。
そして、写真から文章の隅々まで、美しい…
「卒業」などのイメージを持った人々にぜひおすすめしたい。
繊細で、感受性ビンビンで、言葉を巧みに操る尾崎がここにはいる。
り、さんがここから帰ってこれるだろうか、といわれているが、ここからは抜け出せない、とも思う。壮絶な深さを持った写真詩集だ。美しきものは少数者のものなり。この詩集を真に理解できる人は己の魂に誇りを持っていいだろう。尾崎豊の曲や白紙の散乱を乗り越える道はなにか?それは愛を捨て、格調高く残酷に生きることである。
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