天皇と日本の起源―「飛鳥の大王(おおきみ)」の謎を解く (講談社現代新書)

天皇と日本の起源―「飛鳥の大王(おおきみ)」の謎を解く (講談社現代新書)

売れ筋ランキング天皇と日本の起源―「飛鳥の大王(おおきみ)」の謎を解く (講談社現代新書)  
天皇と日本の起源―「飛鳥の大王(おおきみ)」の謎を解く (講談社現代新書)

天皇と日本の起源―「飛鳥の大王(おおきみ)」の謎を解く (講談社現代新書)


価格:¥ 819(税込)
講談社  (2003-02)
/遠山 美都男/
新書 306ページ
売れ筋ランキング:15324
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女帝がただの傀儡や中継ぎではないという解釈が斬新でした。
昔、確かにそう習ったけど、よく考えてみれば女だからといって、事実二度も天皇になったり、
在位期間が長いのにそれをただの傀儡と思うのはむしろ不自然。
大化の改新の政変も、ヒットマンが主犯だなんてこと普通の世界では確かにない。
政治的なものなわけだから。
ただ、昔の事なんで、そういうもんなのかなと、今までは思っていました。
蘇我氏ではなく、古人大兄の方が目的だったというのも、凄く理屈に合ってるし、その後の流れを見ても、
むしろ王位継承者つぶしという視点で見たほうが、全てがしっくりきます。
確かに、著者の言う事には、説得力があります。

一代ではなく何代にもかけて天皇という世界観を作り上げ、神聖化していった様子がよくわかりました。
豪族とそれほど差のなかった時代から、その差をどうやって広げていくか。
天皇の価値作りが、どの大王にも最重要課題だったんでしょうね。
全てが物証があるわけではないので、どこまでが事実かはわかりませんが、説得力のある
推理が多いし、定説よりよっぽど納得はできました。

血みどろの骨肉の争いに勝ったものが天皇になれ、勝者だからこそ穢れなきスメラミコトを
名乗る事ができるという皮肉。
これが歴史だなぁと思います。
最近、聖徳太子はいなかったとか、大化の改新はなかったという説が有力になっているなど古代史が大きく変わっていると聞き、古代史で有名な著者の古代通史を読んでみた。
・飛鳥時代の転々とした都には政治的に大きな意味があった
・女帝は中継ぎでなく、認められた王であり、后→大王が皇子→大王と同様のルートだった
・聖徳太子は有力皇子で外相的立場
・蘇我氏抹殺等は皇極女帝・軽皇子が黒幕
などなどの初めて聞く説を読み、古代史がずいぶん変わったことを実感した。
しかし、これだけ変わると推理小説みたい。どの程度確証あるものなのかを知りたいものだ。
古代史に関する旺盛な執筆活動で知られる著者による飛鳥時代の総論。自説・新説をまじえつつバランスよく叙述がすすむ。
「旧著を読んで下さった方には大変申し訳ないが、今後、私の意見を検討される場合には、本書の所見を検討していただければ幸いである」とあとがきにある。読者としては力が抜けてしまう感、なきにしもあらずだが、それはこの分野の宿命ともいえ、ここまで率直な告白はむしろ誠実さの現れととるべきだろう。事実誤認が指摘されても頬かむりをし、あくまで自説にこだわって衆人を惑わしつづける御仁もいるのだから。

さて、本書の新機軸といえば、文献渉猟・文献解釈の立場に立つ著者が、場所・地域に着目し、そこから論を纏めている点である。歓迎すべきアプローチであり、具体性が増したといえるが、やはり最後は、どこまで信頼できるのか不明な文献解釈にもどるもどかしさが残る。
そこから先は読者にゆだねられるわけで、それが読書の楽しみともいえるが正直、読者としては物証で確認したい衝動がうずいてしまうのである。あらためていうまでもなく、当時を証する最大の物証が他でもない、現存する法隆寺であるという厳然たる事実がある。今年出版された『法隆寺の謎を解く』(ちくま新書)の終章では、内容的に本書に一部リンクしつつ物証と文献の両方から、法隆寺をめぐる当時の時代状況にかなり踏み込んだ見解が示されているので参考になる。
序章 飛鳥への道 ではいきなり飛鳥周辺の超ローカルな地名がたくさんでてきて混乱する。こういう本を読むような人は大丈夫なのかもしれないが、日本史を殆ど勉強していない私には少々つらかった。
1章以降は基本的に時代に沿って話が進んで行く。
難しい読み方の漢字が多いのでもっとルビを振って欲しかった。
第四章「板蓋宮の政変-皇極女帝の陰謀」、第五章「飛鳥と、難波と-皇極・孝徳姉弟の契約」は、それぞれ中大兄皇子と皇極天皇、皇極・孝徳天皇の関係が一般的に考えられていたよりももっと政治的であったのではないかと著者は見ている。この辺りは非常に斬新で面白い。特に孝徳天皇がそれまで考えられた中継ぎ的なものではなく、より積極的に政策を決定しているという論は意外であった。
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