オプティミストはなぜ成功するか (講談社文庫) |
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心理学の教科書にかならず載っている、行動主義の時代の中での「学習性無力感」の発見の経緯などが本人自身によって生き生きと語られる場面は、心理学好きはわくわくするだろう。著者は自身も悲観主義に悩む人である。ポジティヴ心理学の提唱者セリグマンのLearned helplessnessから Learned optimismへの道のりを示している。今読んでも基本的にその価値は変わらないだろう。言語的な資料を疑うことがなければ、という前提はつくだろうし、文化的な差異を考慮に入れる必要はあるが、ひじょうに価値のある研究であり、本である。 セリグマン博士の父上は非常に優秀な方だったのですが、脳梗塞を患ってから極度の無気力に陥り、うつ病になり、 人生になんの希望も抱けない人になってしまいました。 その父上を救いたいという強い願いで心理学者となって、「楽観主義の心理学」を唱えるセリグマン博士自身が 実は、自らの悲観主義を乗り越える戦いをしている方です。 学習性無力感と学習性楽観主義(原題のLearned Optimismはこの意味です)というと、 難しく聞こえますが、 悲観主義者が「自分がなにをやってもむだだ」という無力感を「学習」(身につける)のと同様に、 「楽観主義」も身につけられるものだというのが、セリグマン博士の提唱していることです。精神科医等の専門家や薬物療法に身をゆだねるしかないのではなくて、 人間は自分で自分を変えられるという主張でもあります。 悲観主義の人の特徴は、1)ずっとこういう悪い状態が続く(永続性)、2)なにをやってもうまくいかないだろう(普遍性)、3)個人性(私が悪いのだ)、 というものですが、楽観主義の人の特徴は、簡単に言うと、 たまたま今悪い条件が重なっているだけで、こんなことがずっと続くわけがない、と思う人です。 ただ、博士は、 ●悲観主義の人は楽観主義の人より、より賢く現実を正確に把握していることが証明されている ●楽観主義者は現実を都合よく解釈し、責任感が弱いという弱点がある、 と指摘していて、 「私たちは、やみくもな楽観主義でなく、しっかりと目を開いた柔軟な楽観主義を望んでいるのだ」と本書を結ばれています。 博士の新刊「世界で1つだけの幸福」では、”フロイドを超えた天才”と呼ばれる博士の神髄が解き明かされています。 多くの心理学の本を私も読んできましたが、上記の本で本当の幸福への確実な一歩を踏み出すことができると思います。 ここ1年のベストワンです。かなり前の本ですが、今の日本人こそ読むべきだと思います。海外から帰ってくるとなぜか日本人は暗く、無気力で、エネルギーがなく感じるのはよく経験することです。日本人は総ペシミストとも言える状況であり、それは異様な自殺数やうつ病の増加が証明していると思います。日本人はあたかもペシミストが賢く、オプティミストは能天気と評価する傾向さえあります。しかし、職種にもよりますが、オプティミストが自分の実力以上に成功し、ペシミストが自分の実力以下の結果がでやすいことは、経験上よく理解できます。今の政治家、スポーツ選手、経営者で凄く成功している人と、実力はありそうなのに今ひとつ大きな評価を得れない人を比べると日本人もよく当てはまります。色々な成功の為のHOW TO 本がありますが、その本質的なものだと思います。 著者はペンシルバニア大学教授で、心理学界の第一人者として次々と新理論を発表し「フロイト以来の革命的理論家」と評されている人物である。「学習は褒美か罰をもたらす時にのみ起こる」という学習理論に対し、自分が何をしても状況が変わらない時に「無気力状態:自分の行動が無駄であること」を学習することを証明した。 そして、うつ状態が先の「無気力状態」と同様学習により習得されたものであり、人生における成功がその人の楽観度・悲観度、特に、悪い事柄に対する説明態度(特に永続性)と反芻度(何度もクヨクヨすること)により大きく左右されることを証明した。また、オプティミストが生保のスーパー・セールスマン、スポーツでの勝率、アメリカ大統領選や上院議員選挙等においても有効であることを検証している。 但し、著者は何が何でもオプティミストが良いと言っている訳ではない。ペシミストは現実を正確に把握する能力に優れており、経理係、公認会計士、安全管理技術者等の職業的ペシミストに対する適性は高い。つまり、重要なのは、個人でも組織でも、楽観主義と悲観主義を柔軟に使い分けることである。 本書には簡単な自己診断テストと悲観主義から楽観主義に説明態度を変えるためのテクニック(ABCDE)が載っている。困った状況:Adversityが思い込み:Beliefを招き、結果:Consequenceを生む。そのため、自分の悲観的な思い込みに対し、反論:Dispulationし元気付け:Energizationすることが有効である。反論のポイントは、証拠はあるか?別の考え方ができないか?思い込みが本当だった場合それはどんな意味を持つか?(そんなに致命的なのか?)その考え方は有効か?(自分にとってプラスか?)である。 但し、本書はとてもアメリカ的な本なので、悲観的な国民性の日本においては責任感と楽観主義のバランスが重要だと思う。 楽天家と悲観主義と比較すれば、友人のつながり方に始まり、会社での働き方、金の使い方も全て変わってくる。その結果、自分に戻ってくるものまで変ってくるだろう。だからと言って、努力して楽天的になれるかといえば、そう簡単ではない。常に楽天家であろうなんて所詮無理である。それこそ、躁状態。 しかし、悲観的世界にどっぷりつかったふとした瞬間に気づくだけでもずいぶん違うものだ。 日本にも「笑う門には福来る」といったことわざがあるように、楽観主義が現世における成功の大きな鍵になることは、洋の東西を問わないようだ。われわれは、日常生活においても自信をもって事に臨むことがいかに大切か、大なり小なり経験的に知っている。本書は、それを心理学という科学的見地から実証的に説明している。 まず、世の中のオプティミストとペシミストの例を挙げながら、ペシミストがいかに失敗に陥りやすいかを解説する。その過程で、過去に行ったさまざまな心理テストの結果を織り交ぜたり、ときにそれを読者に対して実際に行わせたりすることで、結論の説得性を高めている。なかでも過去のワールドシリーズで勝者となった選手や、選挙に勝利した大統領のコメントなどに着眼し、各人またはチームの楽観度を測り、そこから成功との相関性を探ろうとする試みが非常に興味深い。 また、この手の本にありがちな不必要に派手な表現の引用や、飛躍した論理構成で読者を引きつけることはいっさいしない。そこには、あくまで事実と推論を明確に区別しながら、ひとつひとつ淡々と論理を展開する学者としての姿勢があり、ゆえに読者に「なるほど」と思わせしめる迫力がある。 アングロサクソン的な優勝劣敗の論理が日本にも浸透しつつある昨今、著者が説き明かす勝者になるためのノウハウは、決してスポーツ選手など一部の人たちに限ったものではない。オプティミズムは才能や意欲と等しく重要な成功要因であり、広く一般の人たちも身につけることができる。(舎利子じみい) オプティミストはなぜ成功するか (講談社文庫)を楽天で検索 |