まず挙げられるのが、とてもスピーディーなその展開だ。短く切られたシーンとシーンがテンポ良く連続し、一見繋がりのないシーンに潜り込んだ伏線がラストに向かってうねるような通奏低音に変化していく。
まるで現代の小劇場のような先進性に驚きを隠せない。そして主人公「参木」の前に次々と現れる出演者たち。彼ら彼女らは一人一人ある役割を持ち、参木の前を通過していく。それはまるで舞台作品のようではないか、と思う。
スナップショットのように切り取られた風景の描写がこれまたクールできらりと光る逸品である。