北東北のシンプルをあつめにいく

北東北のシンプルをあつめにいく

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北東北のシンプルをあつめにいく

北東北のシンプルをあつめにいく


価格:¥ 1,575(税込)
講談社  (2004-03-18)
/堀井 和子/
単行本 221ページ
売れ筋ランキング:211413
おやつの記憶をたどりにいく
アァルトの椅子とジャムティー
tray(トレー)―のせる・はこぶ・おく
2日目のプティ・デジュネ
小さな家とスイスの朝食

どうも殺伐としている時代で何を見ても悲惨なことばかりが目に付く。そんな時間の中で久々に深呼吸をした感じ。 秋田の食べ物が全体の半分ほども取っているだろうか。秋田の食材はなぜか縁あって、私も時々口にするが、地元で食べる、しかもその季節に食べるというのは小さな旅行で1度きりだ。読んでいて、その食材をなまじ知っているだけに本当はどんな味なのか知りたいと思う。しかし、確かに秋田の山菜と魚はいいものがある。 グレイッシュという言葉が高い頻度で使われている。自然の素材が作り出すくすんだ色のことをよくそう表現している。写真でも紹介される道具が欲しくなる。 なんだか今すぐにでも東北を旅したくなる。著者と違って真冬の秋田で猛吹雪に合った経験があるので、そういう季節じゃなくて、そうちょうど今頃とか、いっそ五月とか。
偶然にも近々東北旅行を計画していたので読むのを楽しみにしていたのですが、『北東北』というタイトルでありながら、殆どが秋田県の話題だったことがちょっと…。
題名のことを抜きにすれば、堀井さん独特の雰囲気の文章は十分楽しめます。
 秋田に住んでいて、初夏のミズたたきもしどけも、ねまがりたけも、いちじくも当たり前に食べてきました。金満も小さい頃から見慣れたお菓子。干しもちも、ぼそぼそとして、そんなにおいしいかなと思ってました。身の回りにあたり前にあるものでも、こういうふうに本にかかれると、急に貴重なことのように思えてきます。地元を再発見でもしたみたいで、なんだかうれしいです。
 装丁も写真も、文章も白っぽいかんじで、全体にさわやかさっぱりとしています。この爽快さもいいですね。
この本は堀井さんのご主人のご実家の秋田とその周辺、盛岡などの料理や暮らしの道具、器についてのお話です。読んでいると、北東北の澄んだきりっとした、でもやさしい空気が伝わってきます。私の好きな盛岡についてもいろいろ紹介されていて、去年の夏にいった思い出がよみがえってもう一度いきたくなりました。何度でも訪れたいところです。東京育ちですが、盛岡に住みたくなります。堀井さんの秋田のお母様の手料理もご紹介されていて、こんなに料理のうまい親っていいなー、とうらやましくなります。そして日本の地方ってかっこいいと思わせてくれる本です。
表紙の写真から、ピピッときて、あっ!新しい堀井さんの世界が見られそうと期待に胸がはやりましたが、期待通りでした。今までの北欧のテイストは堀井さんの世界の一部で、まだまだ彼女の好奇心や美意識は広いのでした。最新作は、今までと違った新しい堀井さんワールドを知ることができます。北東北と聞いて、やっぱり北欧も北東北も、堀井さんは北に向かうんですね。もちろん彼女のシンプルで透明な美意識は変わらずで、でもより研ぎ澄まされているように感じました。私も知らなかった北東北の生活--籠や秋田のお母さんの作る食事の無駄のない美しさ、光原社で出会った漆のお碗、宮沢賢治など、堀井さんはますます研ぎ澄まされてきていらっしゃる印象を受けました。これからも堀井さんの世界を旅したい気持ちは続きそうです。
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