家族を「する」家―「幸せそうに見える家」と「幸せな家」 (講談社プラスアルファ文庫) |
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2000年に出版された本の文庫版です。 この本は、「家族の結びつきとは何ぞや?」という根本的な問題を採り上げています。 たとえば、広いリビングを通らないと子どもが自室へ行けない構造を作っても、「逃げるように通れば、それはほんの数秒のことであり、親が声をかけても、子どもが立ち止まろうという気持ちを持っていなければ、その効果は半減するだろう。」と語っている点は、意外と同じ意見を耳にしたことがなかったので、新鮮な印象を受けました。 この点は、マンションにありがちな「玄関側に個室、奥にリビング」という間取りに住んでいる人には朗報ではないかと思います。 「家族が住まいという空間なしに成立した時代などないと思う。」の次行に、「その一方、世界には引き裂かれた難民たちが『家族意識』だけでつながっている例もある・・・」と、家をなくした人々の家族の結束力についても言及しています。 また、携帯電話のマナーにも数行を割いている点からも、これが単なる”間取り”研究の本でないことを示しています。 ちなみに、「個室を知らない人々はプライバシーという感覚も知らなかっただろうから。」 は、19世紀以前のヨーロッパを前提とした話です。 何かの本で推薦されていたので読んでみましたが、面白くない本でした。著者があたかも「自明」としている推論は理解しがたいものがありました。 たとえば、106ページ。「それ(住まい)がなければ、家族などすぐにもバラバラに解体されると言うのである。(中略)家族が住まいという空間なしに成立した時代などないと思う」 戦争、大震災、火災で家を失った人は少なくないと思うのですが、多くの家族がバラバラになったのでしょうか? それを裏付けるものを示して欲しいですね。 112ページ。「個室を知らない人々はプライバシーという感覚も知らなかっただろうから」 日記や手紙を他の人に読まれたくないという感覚はプライバシーではないのでしょうか? 個室がなくてもこんな感覚を持っている人は多いと思います。 もう少し読者に理解できるように説明しようとする姿勢があると良いのですが。読み終わって何か得たものがあったろうかと自問しました。 芥川章受賞作家の本です。前作の著書「「家族をつくる」ということ」の続編です。 最初の本の発表以降、住まいと家族について講演したりしていたようです。 内容的には、ちょっと物足りないですが、なるほどと思う部分もありました。 日本人は家探しをする際にリビングと子供部屋を重視しているが、欧米人は夫婦の寝室を重視している。 子供部屋のルールを決めずに与えるから親が子供部屋に入れなかったり、引きこもりが起こる原因にもなるようです。 また、郊外に住むというのは、現状では流行らない形態になってきているというのも意外でした。 また、リカちゃん人形に傾倒した世代と、カントリーブームにのっている世代の分析はおもしろかったです。 まだ、子供が小さいので実感はわかないですが、家族のまとまりの難しさを感じました。 本当に家族をする意志が強くないとバラバラになってしまうのかもしれません。 食事中に携帯電話を食卓に置いて、家族の団らんが中断されるというのも時代の変化を感じます。 家族を「する」家―「幸せそうに見える家」と「幸せな家」 (講談社プラスアルファ文庫)を楽天で検索 |