都市計画の世界史 (講談社現代新書 1932)

都市計画の世界史 (講談社現代新書 1932)

売れ筋ランク都市計画の世界史 (講談社現代新書 1932)  
都市計画の世界史 (講談社現代新書 1932)

都市計画の世界史 (講談社現代新書 1932)


価格:¥ 1,050(税込)
講談社  (2008-03)
/日端 康雄/
新書 358ページ
売れ筋ランク:34534
ヨーロッパの都市はなぜ美しいのか
都市をつくった巨匠たち―シティプランナーの横顔
新・都市論TOKYO (集英社新書 426B) (集英社新書 426B)
イギリスのガバナンス型まちづくり―社会的企業による都市再生
都市計画はどう変わるか

勉強をはじめたばかりの初心者には、都市計画について全体像を把握するという意味でおすすめです。
都市計画の分野では、海外の都市計画は各国別、時代別に扱われることが多く、なかなか相互の連関が分析されることは少ないと思います。そうした中で、各論を適度な概説にとどめた上で、できるだけ都市計画の世界史の全体像を描こうとしているところに本書の特徴があると思います。

そうした視点から、実際に出てくるのは、植民都市計画の各国での展開や、フランス風バロックの都市デザイン上の各都市への影響、ユートピアや田園都市の系譜と各国での実践、といったものです。これまで国別に断片的にしかインプットできなかった知識が、相互に関連づけて理解できるようになっています。

著者は歴史家ではないので新しい事実の発見は多くなく、既往研究に多くを負っているようですが、それらを出来るだけ整理しまとめたところに、新書らしい、入門書らしい意義があると思えます。

図版も大変多く掲載されており、親しみやすく勉強にもなります。
古代メソポタミアから近代の日本まで幅広く、それぞれの地域・時代の都市がどのようなコンセプトの元で作られたのかを解き明かしていく一冊。
中国の古代都市や日本の平城京や平安京、中東の都市まで幅広く扱っているが、中心になるのはヨーロッパの都市について。
特に近代ヨーロッパで試みられたさまざまな新しい新都市計画や、中世都市から近代都市への改造計画について、もっとも多くのページが割かれている。

興味のある人には面白い、はずのテーマなのだが、いかんせん記述がちょっと無味乾燥すぎる気が・・・。
序盤の世界各国の都市の構造についての項はまだいいのだが、肝心の近代ヨーロッパの項がちょっときつい。
コンセプトや狙いといったものが教科書的に淡々と羅列されているだけの印象で、決して読み物として面白いものではないのだ。

もっとも、それを差し引いても、近代ヨーロッパの人たちがいかに自分たちの理想の都市を作ろうとしたのかという情熱は伝わってくる。
特に日本の都市の無秩序ぶりを嘆く人には、いろいろと参考になる一冊だろう。

ちなみに本書でも、日本の無秩序に広がった都市についての批判が冒頭にある。
だが、そのまま投げっぱなしで、特に解決策だとか、ヨーロッパの都市計画と日本のそれとの比較などはナシ。
できれば、ここのあたりについての著者の見解が読みたかった。
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