今ここにいるぼくらは |
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この本は小学生の生活版、私小説です。小学生の日常の一コマをとても色鮮やかに切り取っています。短編の積み重ねで鮮やかな色彩が七色に輝く手法です。 主人公はずっと同じですが、主人公に絡んでくる子供たちの描き方が絶妙で、主人公本人の成長とともに主人公の友人達の成長も描いています。 とても素敵ないい小説なんですが、モティーフとして使われている「川」のイメージそのままに、流れるようにさらさらと読めてあまり引っかからない文章です。著者の強い個性が感じづらい。主人公本人が立ち回るというよりは、周囲を冷静に眺めて観察している、ごく日常的、現実的で、動きが少ない小説です。 つまり、大人や、中学生くらいの、小学生時代を郷愁をもって懐かしむ世代に受ける本で、小学生本人は読まない可能性が高い、と。いい本なんですよ。対象とする読者が小学生ではないということです。 実際のところは分からないけれど、なんとなく自分が回りの子供達より、冷めていた様に感じていた子供時代を思い出しました。 みんなが夢中になっている物に、一緒に入っていけないもどかしさや、みんなと違うと優越感を持っていた自分。 そんなホントは一番子供っぽかった自分を、主人公の周りにいる子供たちと重ねてしまいました。 自分の居場所がない…その思いはきっと誰もが持っていて、自分達は居場所を探すために生きているかもしれないと、納得しようとしたときに、この一文に出会うのです。 ”僕達は1人ぼっちだ。それも悪くない。” とてもよかったです。 一緒に同じ空気を吸っているような、子供の頃の懐かしい気持ちがよみがえります。久しぶりに田舎へ帰りたくなりました。 自分の小学生時代を思い出しました。今の自分には些細なことでも、「大事件」だと思えたあのころ。一方で、成長してゆくことへの漠然とした不安もあったように思います。この本は、私にそんな懐かしい気持ちを思い出させ、今の自分を見つめなおすきっかけを与えてくれました。爽やかな読後感。オススメです。 今ここにいるぼくらはを楽天で検索 |