耕うん機オンザロード (BE‐PAL BOOKS) |
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数年前に「ストレートストーリー」という映画を見て以来、幼い頃から良く見ていたこの無骨な機械(実家は農家だったので)が旅の移動のためのツールになるっていうのが驚き!でこの本を見た瞬間日本にもこういう旅をする人がいるんだなーと感心した。社会人だと長期の休みはとりづらく、著者のような1ヶ月に1回自動車や飛行機に比べると亀かカタツムリのごとくの移動はある意味贅沢でもある。学生だと短期集中決戦、一般人は会社もリタイヤでもしないと実現は難しい。でもこのせかせか点の旅ばかりもてはやされるご時勢であえて不便な線の旅を実行している著者は好感がもてた。この本では旅は完了していないのが残念。 海辺に駐車された耕耘機、物憂げに運転席に座る男の写真。本のタイトル、著者名ともに横書きで装丁がうまい。アウトドア情報誌「ビーパル」に連載していたエッセイをまとめたもの。北海道から南下、耕耘機による旅を記録している。ただし連続した旅ではなく走っては現地に耕耘機を預け自宅に戻るということを繰り返すぶつ切りの旅。ビーパルはよく読んでいるが野田知佑の文体が好きで著者の甘ったるい文章は途中で読むのをやめた。雑誌連載中に掲載していたイラストがなくなっている。どの乗り物よりも「かっこよく見える」p039、「ぼくは優越感に浸った」p043、「みんな羨望のまなざしでぼくを見ていた(ように思う)」p064、「優越感もある」p124、「優越感に浸りたいだけだったんだと自覚した」179、「すぐに優衊??感を持った」p307、と耕耘機で旅しているけどもコンプレックスの裏返しのような言葉が続く。倫理的に同意できないのは登場する友人の扱い方。耕耘機のタイヤリムを居眠り運転のため破損、友人に代わりを捜させる。給油所の人にリムをなおしてもらい、友人にリム不要と断りの電話を入れる。その友人が著者の自宅に居候を申し込むと断り、「自分のことは自分でできない奴はダメだな」と切って捨てる。読み進むと女性の場合は「わが家に滞在して共同生活を楽しむ間柄になった。」p234とOKなのだ。待ち合わせ場所に遅れ他人に雪の中を捜索してもらう。携帯電話があれば電話一本で済むのに持たない主義(p266)らしい。奥尻島を一緒に回った女性に親のすねをかじっている間は「「無職」という今の肩書きのままでいてもらち?たい。」。そりゃそうだけど本に書くべき内容か。友人はこのように切るのだが税金で成り立っている施設や団体に対する発言はまったくない。当てずっぽだが著者は宗教団体者なのだろうか。曾野綾子のエッセイを読んだ時のような後味の悪さだ。善意の好きな人には好著かも。 シェルパさんは10年前から小学館の「BE-PAL」に寄稿しているそうですが、さすが・・・!紀行文のプロだと思いました。日本縦断のことはもちろん、混浴での湯あたりなども面白おかしく書かれています。 普段本をあまり読まない人でもどんどん読んでいける本です。 耕うん機オンザロード (BE‐PAL BOOKS)を楽天で検索 |