国家の謀略

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国家の謀略

国家の謀略


価格:¥ 1,680(税込)
小学館  (2007-11-29)
/佐藤 優/
単行本 352ページ
売れ筋ランキング:92503
野蛮人のテーブルマナー
インテリジェンス人間論
国家と人生―寛容と多元主義が世界を変える
私のマルクス
国家論―日本社会をどう強化するか (NHKブックス 1100)

雑誌SAPIOに連載されたインテリジェンスに関する佐藤さんの経験、現実そして其処から導きだされる国家や民族への思い入れ。
既に他著で書かれた内容も書かれているが、守秘義務があるにも関わらずここまで書かれて良いのだろうかと思ってしまう。逆に読めば、書かれているのは氷山のほんの一部であり実は書けない資料の方が圧倒的に多い事が明白であろう。
諜報機関はどの国にもある、そして国家存続のために存在するという。そこにはゲームのルールがあり、それは「死生観」だという下りは、なるほどと思ってしまう。国を守る、同胞を守るための諜報活動があり表舞台の外交がある。
この死生観とは、生の形態にとらわれることなく、生命を最も効果ある形で国家のために使う目的合理性に基づいてると佐藤さんは書く。

また情報収集という文脈では日常社会でも役立つアプローチや方法論を佐藤さんは示している。
いづれにしても、いつもながら思うのは、佐藤さんの読書量と知識量、そして世界を網羅するような人脈の広さである。
SAPIOの連載を纏めたものだが、なるほどこうして単行本になると、佐藤優氏は高度な視点で一貫性を持った人物であることが分る。インテリジェンスとはこのようなものなのか?ということが、読者にも分りやすく説明されている。それにしても、外交とはげに恐ろしいものだと感じた。
 佐藤優の議論の中で 一番の特色は 宗教を絡めた社会分析ではないかと思っている。

 日本人が宗教に比較的無関心である点は 世界でも突出している気がする。この「無関心」は個人的には好きだ。宗教を巡って死んだ人の数は 膨大といった言葉ですら形容が出来ないと思うからだ。従い 日本人の宗教への無関心さは 人間として先進事例であるとも思う。
 但し 現実の世界を理解するに当り その「無関心」は「鈍感」を意味してしまう可能性は高い。その点を 本書を読みながら再度感じた次第だ。

 グローバリズムという言葉が新聞にも毎日載っている。その割には 日本の新聞には外国の記事は少ない気もするが 少子高齢化を迎えている日本として 世界でどうやっていくかは企業レベルでの課題になっている。
 その際に「宗教が解らない」ということは 時として致命的になる可能性がある点はよほど肝に銘じなくてはならないと思う。
 宗教とは人間が作り出した特殊なモチベーションのシステムになっているのが現代である。日本人として「自爆テロ」の論理は理解を超えているが 一方 エリート教育を受けた人間が 宗教をドライバーとして自ら「自爆テロ」を行っているのも世界だ。この「世界」を「理解しがたい」という言葉で片付けているだけでは「鎖国状態」であると言われても反論出来ないと思う。
 世界に内在する「論理」を理解することは 21世紀の日本にとっては死活的な課題だと確信している。その大きな要素が「宗教」である。そう考えることで 佐藤優というインテリジェンスが 神学から出てきたという事実が漸く理解出来るのだと思う。

 大変刺激的な読書となった。
 佐藤氏の著作は元外交官だから知りえる情報・分析力が垣間見えて毎回楽しく読ませていただいている。
 残念なことに鈴木宗男氏関連で職を辞してしまったようだが、その結果日本の外交・佐藤氏しか知りえない情報の公開が世間にさらされてしまったことを、佐藤氏には悪いが、私は非常に歓迎しています。
 さすがにたたき上げの官僚は分析力のレベルが格段に違う。足元にも及ばないが、学びたい気持ちでいっぱいである。
私は連載を読んでいなかったので、ほどほどに楽しめました。
ビジネスに応用できるとのふれこみですが、これは人に依るでしょう。
少なくともテレビや新聞のニュースの見方については参考になります。
また、お勧めしている書籍にも読んでみようという気にさせます。

以前から著者は言論出版活動が著者自身を守るためのインテリジェンス工作ではと
思っていましたが、この本を読んでそれはさらに強くなりました。
インテリジェンスに関わる人間は手段を選ばないマキャベリストと本書にもあり
ますが、やはり著者もそうなのでしょう。

ただ、私は著者の国家主義者的のような部分にやや違和感をもっており、
このあたりは同じ元外交官だった天木直人氏の07年11月14日のブログが
参考になるでしょう。
また、著者は文中に「中東の情報大国」というぼかした表現を使っていますが、
これは明らかにイスラエル。なので中東に関しては一方からのものの見方にしか
なっていない点は留意すべきです。田中宇氏の本なども参考に情報のポートフォリオを
組んでおくのがよいかも知れません。著者も自身の著作を盲目的に信じて欲しいと
決して思わないでしょうから。

尚、プーチン大統領に対する考察はさすがロシアに関わっていただけの事はあります。この部分は脱帽です。
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