破船 (新潮文庫) |
|
売れ筋ランキング > 破船 (新潮文庫)
他の方のレビューがあって、ほっとする。 読んだ当時中学生だった私は、これが事実だと受け入れるのに少々時間を要したが、今は切実に読み継がれていってほしいと思う作品だ。吉村氏の作品はどれも、淡々とした文章で事実を語るだけなのだが、それがかえって怖い。興味のあることは徹底して調べ尽くす、その姿勢には脱帽する。 蛇足だが、氏は末期がん闘病の末「自決」して亡くなられた。ご冥福をお祈りする。 淡々とした文章ですが、史実に基づいた 凄みのある小説で読後、私は背筋がぞっと するとともに、集団心理の怖さ、貧困の悲 しさを痛感しました。 こんな本があること44歳になるまで知らなかったとは、あまりにショック! 今は、読んで本当に良かったと思う。妻や子供にも読ませたいが、小学生の子供には早すぎる。妻に読ませるのは酷過ぎるか?! でも、子供が一人前になるまでは、読んで欲しいなあ、と痛切に感じた。 暗礁前で火を焚き、座礁させた船の荷を奪う習慣を持つ浜に、次に訪れたのは天然痘患者を載せて流された船だった。 死者から剥いだ着物を村中に分配したため、三分の一は死に、三分の一は痘痕を残しながらもどうにか生き残る。 しかし痘痕の者は、村に病を残さないために、餓死に覚悟で山に入る。 他者の不幸に鈍感になる日常。 無知のために呼び寄せる不幸。 小説の舞台は江戸時代の後期、東北の僻村だが、今、ここにもある歪みだ。 難破船に残された遺体からはぎ取ってきた着物や雑貨・・・それらで生計をたてている貧しい村。しかし、そんな村に謎の病が広まって、次々と村人が死んでいく。 今の私の生活からは考えられないが、きっと、こういう村に行って暮らせば、私も同じような考えになっていくのだろう。彼らを非難することはできない。 それにしても、天然痘がこんなに恐ろしい病気とは知らなかった。医学の進歩には頭が下がる。 破船 (新潮文庫)を楽天で検索 |