破船 (新潮文庫)

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売れ筋ランキング破船 (新潮文庫)  
破船 (新潮文庫)

破船 (新潮文庫)


価格:¥ 500(税込)
新潮社  (1985-03)
/吉村 昭/
文庫 227ページ
売れ筋ランキング:21142
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 他の方のレビューがあって、ほっとする。
 読んだ当時中学生だった私は、これが事実だと受け入れるのに少々時間を要したが、今は切実に読み継がれていってほしいと思う作品だ。吉村氏の作品はどれも、淡々とした文章で事実を語るだけなのだが、それがかえって怖い。興味のあることは徹底して調べ尽くす、その姿勢には脱帽する。
 蛇足だが、氏は末期がん闘病の末「自決」して亡くなられた。ご冥福をお祈りする。
 
 淡々とした文章ですが、史実に基づいた
凄みのある小説で読後、私は背筋がぞっと
するとともに、集団心理の怖さ、貧困の悲
しさを痛感しました。

こんな本があること44歳になるまで知らなかったとは、あまりにショック! 今は、読んで本当に良かったと思う。妻や子供にも読ませたいが、小学生の子供には早すぎる。妻に読ませるのは酷過ぎるか?! でも、子供が一人前になるまでは、読んで欲しいなあ、と痛切に感じた。
暗礁前で火を焚き、座礁させた船の荷を奪う習慣を持つ浜に、次に訪れたのは天然痘患者を載せて流された船だった。
死者から剥いだ着物を村中に分配したため、三分の一は死に、三分の一は痘痕を残しながらもどうにか生き残る。
しかし痘痕の者は、村に病を残さないために、餓死に覚悟で山に入る。

他者の不幸に鈍感になる日常。

無知のために呼び寄せる不幸。
患部を切り捨てることで残りを生かそうとする弱い社会。
何か他に方法があったのではないか、というやりきれない気持ち。
その後に続く以前と同じ日常。

小説の舞台は江戸時代の後期、東北の僻村だが、今、ここにもある歪みだ。


難破船に残された遺体からはぎ取ってきた着物や雑貨・・・それらで生計をたてている貧しい村。しかし、そんな村に謎の病が広まって、次々と村人が死んでいく。

今の私の生活からは考えられないが、きっと、こういう村に行って暮らせば、私も同じような考えになっていくのだろう。彼らを非難することはできない。

それにしても、天然痘がこんなに恐ろしい病気とは知らなかった。医学の進歩には頭が下がる。


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