安曇野の白い庭 (新潮文庫)

安曇野の白い庭 (新潮文庫)

売れ筋ランキング安曇野の白い庭 (新潮文庫)  
安曇野の白い庭 (新潮文庫)

安曇野の白い庭 (新潮文庫)


価格:¥ 460(税込)
新潮社  (2005-03)
/丸山 健二/
文庫 222ページ
売れ筋ランキング:52109
生きるなんて (朝日文庫 ま 3-3) (朝日文庫 ま 3-3)
夕庭
花々の指紋―言葉、写真、作庭
ひもとく花
荒野の庭―言葉、写真、作庭

「命が地球よりも重いというたとえは所詮ロマンチストのたわごと」と豪語するこの作家は、日々言葉を研ぎ澄ます言葉の芸術家たらんことを課題にして生きている。たしかに、高めた集中力から生み出される言葉は、本書の中からも感じられる。山に住み、言葉を研ぎ澄ますまさに職人気質の作者は、庭造りにも、家作りにも妥協はない。白い庭にこだわり、いかに家と庭との調和をはかるか、そのこだわりは、文体に表れていて、非常に潔く、しかも力強い言葉としても表れてくる。本書を読んで、この「職人」の他の作品にも触れてみたいと思う人は多いだろう。
丸山健二氏は突っ張りおやじである。きわめて意地っ張りである。そこが面白く,時に元気を与えてくれる。そういうおやじでありつづけるのは結構大変だと思う。で,この本だが,そういった丸山氏の庭造り,家造りでの「ああでもない,こうでもない。ままよ,えいやー」のプロセスが生真面目かつユーモラスに描かれている。造園には全く興味がなかったが,それでも最後まで読んでしまった。孤高の作家と言われる丸山氏だが,この本が不思議に風通しが良いのは,設計士等外部の他者との交流が描かれているからだろう。人生論としても好著である。
凡人には近づきがたい孤高の人、というイメージのある丸山健二。
しかし小説作品ではなく、本書『安曇野の白い庭』のようなエッセイを読んでみると、丸山健二の人間らしい姿が浮かび上がってきます。

文壇と一線を画し、安曇野で庭造りに勤しんでいるということですが、ご立派な理由があって、というよりは、周囲の状況に流された部分も大きいのかもしれません。
妥協を排し刃の鋭さを保った生き様を貫こうとすれば、やがて行き詰まり居場所をなくすというのは当然の成り行きです。それでもやり方を枉げずに小説を書き、庭造りをする。
一般凡人がマネしたいものではないですし、またマネできるものでもありません。
しかし、そういう「異世界」もアリなのだ、ということを教えてくれます。

丸山健二の小説のファンはもちろん、これからガーデニングでもやってみようかな、という人も読んでみてもいいかもしれません。苦労話多いです。


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