フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life |
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傷つかないようにして生きていくためにどんどん鈍くなっていく。 ぶあつい殻に包まれて自分がどんな形をしているのか分からなくなった。 摩擦がないように生きていく、周りに適応してい生きていく、 そんなことを考えているうちに自分が行きたい方向も見えなくなった。 生きるためだけに生きる。シンプルなことなのに。 瞬時の判断で飛ぶ方向を見定めるパイロットは飛ぶために飛んでいる。シンプルに。 自分のために生きている、と言いたい。誰かに言うのではなくて、 自分に対して正直にそう言えたらいい、と思った。 会いたいと思うこと、生きていてほしいと思うこと 自分がその人に影響するか否かに関わりなく その気持ちを言葉で定義したくない それは生きていくことと同じくらい切なくなるものだと思う。 21世紀に蘇った『かもめのジョナサン』とも云えるのではないか。 SF的なキャラクター設定を採りながらも、 本シリーズの中身は、実は純文学である。 他人を痛いまでに希求する寂しさを 大空の透明な孤高で昇華する主人公たちに 私たちが果たせない孤独の処理を託してしまう、そんな物語だ。 本書は第四巻ではあるが、 時間軸的には第三巻にあたる。 シリーズを通した主人公、クサナギの パイロット後期時代が描かれている。 管理職に出世したクサナギを語り手から外し 同じキルドレのクリタに語り手を変えている。 これにより、クサナギのより透明な人物像と 苦悩が深く表現されている。 2006年6月25日リリース。『スカイ・クロラ』第4作。森氏のblogによれば『スカイ・クロラ』はあと一冊で完結のようだ。 森氏の詩的な文体と主人公たちの舞台たる『空』は何にも増してマッチしている、と森氏のファンの大多数の思っていると思う。まるで機関銃のように照射される詩的なフレーズに痺れる。溢れ出るような死を詩で織りなすような世界。森氏の真骨頂だ。森作品の中で永く後世に残っていくのはS&MでもなくVでもなくましてや四季でもなく、絶対に他の誰にも書けない『スカイ・クロラ』だと思う。素晴らしい。 一番奥にある「綺麗」を表現すると、この本になるのだと感じました。素晴らしいです。色々な感情を突き抜けて引き込まれます。言葉にする事が難しい何かを得る事が出来ます。多くの感情の表現を単語として置き換える事を知っているはずなのに、自分の知っている言葉では表す事が出来ないもどかしさを感じます。しかし、そのもどかしさは嫌なものでは全くなく陶酔してしまいます。 真剣に読書をしたい人はお勧めの本です。 なにも言わずに読みましょう。 森ワールド全開です。好きです。 ミステリのほうでも垣間見える森ワールドの死生観が純粋に徹底的に表現されており、非常に考えさせられ、現実逃避には最適です。 純粋な死生観で構築された世界に、さりげなく差し挟まれる「日々の暮らし」とか「大人の思惑」とかが、しなやかに際立つように記述され、差し挟まれる側にどっぷりと浸かって何も考えずに暮らす毎日に、ちょっとした緊張感を与えてくれる良い本だと思います。 こういう世界を想像できるのは、や俗世から離れている象牙の塔で暮らしてらっしゃるからかしらんとうらやましくなったりします。 フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Lifeを楽天で検索 |