連戦連敗 |
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自分の職業生活も毎日コンペに晒されている。職場でのポジションが上がるほど、負けたときの心理的ダメージは大きいのだが、数年前の好調はどこへやら、最近では文字通り連戦連敗である。先日自分でも自信満々でプレゼンしたコンペで次点に終わり、自分はもう社会からチョイスされない、この業界での商品価値がない人間なのだとぷっつり心の糸が切れた。会社をサボって本屋をさまよっている時に、この本に出会った。 「コンペで勝てなくてもアイディアは残る。実際、コンペのときに発見した新たなコンセプトが、その後に別なかたちで立ち上がることもある。」 私はクリエイターではない。だがコンペの時の努力が数年後に役に立つ経験は過去にもあったことを思い出す。たとえ今は負け続けていても、心身ともにボロボロであっても、明日はまた挑戦するために立ち上がろうという気力を、ゆるやかに満たしてくれる本だと思う。 そういえば以前、竣工間もない自らの建築物の中で、若い建築家の卵たちに講義する安藤先生をみた。燃え尽きることのない、熱の塊のようだった。 非常に人気のある建築家だが、あまりにもひどい建築作品を多く見すぎて、この作家の真髄に疑問を抱いている。 たとえば兵庫県立美術館や京都陶板画美術館など、どれもこれも似たようなコンセプトで設計され、見物客のことを二の次、三の次にした不便な建物は、外観も内観もいやになるほど陳腐である。 たくさんの作品を設計しすぎたという言い逃れもできまい。ひとつひとつの建築を丁寧に設計してこその建築家なのだから。 20年前は良い仕事をしていたような気もするが、今日の安藤はただの人である。 もはや彼の神通力はなくなった。 というか、もともと他の建築家(たとえば隈研吾や原広司にくらべて、それほど突出してすぐれた作家ではなかったということが冷静になった現在、見えてきた。 安藤先生の精神には合理性と不屈のファイティングスピリッツがある。まるで日本人にはない欧米的精神だ。建築には関係してない人にもこの本を読んでほしい。グローバルな時代に生きながらも、日本人精神を保つ生き方が安藤先生には備わっている。プラグマティズムと日本の美感を大切にしている生き方は希有なものだ。マスコミに露出し過ぎているとも思える人だが、それで彼の本質を見失ってはもったいない。読んだ後にじわじわ効いてくる他にない本です。 安藤忠雄の人生訓のような内容です。 あとがきにある、 「どれだけ力を尽くしたところで、大抵の場合は報われない。だが、挑戦は決して無駄ではなかったと思っている。(中略)モノをつくる、新たな価値を構築するという行為の大前提が、この戦い、挑戦し続ける精神にあるように思う。」 「大抵の人間は、この苦難のときを耐え切れずに終わってしまう。しかし、ル・コルビュジエもカーンも、決して諦めなかった。妥協して生きるのではなく、戦って自らの思想を世に問うていく道を選んだ。与えられるのを待つのではなく、自ら仕事を作り出していこうとする、その勇気と行動力こそ、彼等が巨匠といわれる所以なのである。」 Exactly! 安藤忠雄氏の東京大学大学院での講義をまとめた本。 華々しく建築コンペ(設計競技)を勝ち取っているかに 思えるあの安藤忠雄が、実はたくさんのコンペに参加し、 とても沢山負け続けていると知り、大変に驚きました。 公明正大と思い込んでいた建築コンペも実は妥協の 塊で必ずしも、最も優れたデザインが勝つわけでは ないこと。安藤氏のような優れた能力の方であっても 勝つためには周到な準備が重要であることを知り、 違う業界に住んでる人間としても、学ぶべきことが 沢山あり、とても有意義な本。 建築を志す人は必読でしょうし、またそうでなくても 人生の様々な局面で挫折しかかった時に読めば、 勇気が湧いてくるような素敵な良い本です。 連戦連敗を楽天で検索 |