チャンピオンたちの朝食 (ハヤカワ文庫SF) |
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この本は自由意志についての本である。自由意志を扱った小説をおれは他に読んだことがない。ヴォネガットは心の底では自由意志を否定していた気がするが、この本では自由意志が存在する。そういう哲学に興味のある人が読むべきだろう。おれはこれを読んで、不意に涙ぐんでしまった。自由意志の問題は悲劇を生む問題だ。 ヴォネガットの傑作「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」「スローターハウス5」で大活躍した脇役キルゴア・トラウトが遂に主役の1人に昇格する作品。ヴォネガットの70年代最初の作品で、彼のヘタウマなイラスト満載。頻出語は「その他いろいろ」。作者自身が小説の中に登場してキルゴア・トラウトと対面し、創造主として彼を振り回す等、従来の小説の常識を破る作品だ。作品中作品であるキルゴア・トラウトの小説のあらすじは相変わらずの面白さ。しかし、この本を堪能するには、これまでのヴォネガットの作品、特に「ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを」を読んでおいた方がよいだろう。何しろ、エリオットまで登場するのだから。そういう意味では楽屋落ち的な部分が多い作品だ。そして、社会を告発するというよりは、作者の頭の中のとめどもないプロットの奔流を吐き出した実験的な小説と言えるだろう。従来の彼の作品にはないついて行きにくさを私は感じる。「パーム・サンデー」の中での作者自身の評価によると、本作の評価はC。ちなみに、「タイタンの妖女」〜「スローターハウス5」の評価はAプラスまたはAである。しかし、キルゴア・トラウト好きの私としては、そこまで評価を低くしなくてよいのではと考える。 文体に慣れるまで少々時間がかかりましたが、 勢いがあるストーリーに引き込まれます。 途中出てくるギルゴア・トラウトの挿話が傑作。 それ自体を読んでみたい。 特に英語のスラングがわかる人が読むと、非常に楽しめる作品です。 英語版も同じような構成なので、英語の勉強に良いと思います。 (ただし、下ネタも多いので、中学生にはどうかな・・・? 思春期の息子に与えると、もしかして一生懸命勉強してくれるかもしれません) 私はヴォネガットさんの作品は「タイタンの妖女」しか読んだ事無いのですが、「タイタン〜」に比べて(私個人の感想では)ちょっと残念な感じでした。 まったく古く感じさせない話しなのですが、もう少し整理できたかとも思うのです、整理しない事を目指しているとしても。細かいディテールと人、場所、もの、時間などの細かな繋がりや些細なきっかけの及ぼす影響なども楽しいのですけれど、物語に入り込みにくく感じてしまいました。あの人が出てくる事もわからないではないし、物事の枠をずらすには素晴らしい事なのですけれど、もっと上手く(完成度として、という事です)できたのでは?と思ってしまいました。ちょっとアメリカ的なモノに対する批判が一方的かな?とも思うので。 それと、カザックに会えるとは思わなかったです。 それでも、楽しめたのは事実です。大きな枠組みが壊れる事を楽しめる(笑いの基本的な部分の、ズレる事がお好きな方)にオススメ致します。 “ここは世界一の国なのか? ホントに?” 米国を訪れた人が感じる、偉大な米国と米国人のギャップをこの小説は、 うまく笑いと、皮肉たっぷりに描いてます。 愛嬌があって、立派で、ステキな人が、 他人の人生をズタズタにする。それも、親切心と義侠心で。 今でいえば、NYのテロに泣いてボランティアに励む人も アフガンの難民の死を当然のコストと受け入れてるってことですね。 そういう米国人に絶望しつつ、ヴォネガットは、 愛情を込めてひとりひとりを描き、受け入れようとしています。 今から30年ぐらい前に書かれた本なのですが、ヴォネガットの憂慮した とおりに米国は、ゴロゴロと転がっていってます。 その先はどこなのか? っても、基本はお笑い。 登場人物のキルゴ!!ア・トラウトが書いたSFの粗筋が何本か登場しますが、 どれも爆笑もの。それを読むだけでも、買う価値があります。 かの萩尾望都も、以前、おすすめ本としてあげてました。 チャンピオンたちの朝食 (ハヤカワ文庫SF)を楽天で検索 |