泡宇宙論 (ハヤカワ文庫―ハヤカワ・ノンフィクション文庫) |
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この本の「泡」とは、シャボンの泡ぶくのようなものだけでなく、水が沸騰するときの気泡や、風船のようなものも含む(つまり、内側から圧力が生じている球形のものという広い意味での、泡)。 人間社会から宇宙全体まで、どんなスケールの世界も「泡」でできている、または存在するという泡宇宙論が展開される。 話は私たちの暮らしの中でふつうに目にする泡からはじまり、それから宇宙へと飛び出していく。まず、太陽が発するプロミネンスを泡と捉えた「太陽ヤカン説」を紹介する。「太陽とヤカンは同じつくり」というなんとも大胆な喩えだが、読んでみればそのしくみがぴったり一致することがわかる。 このようにしてどんどんと泡のスケールも大きくなっていき、しまいには宇宙に広がる銀河の散らばり具合でさえも泡である、というところまでたどり着く。ビッグバンではじまったとされるこの宇宙に、なぜ銀河が密集しているところと疎になっているところがあるのかが説明される。 ふつうの暮らしで見られる泡は分子がびっしりと集まってできている。一方、もっとも大きなスケールの泡(銀河の疎密)では、分子ひとつひとつに相当するものは銀河ひとつひとつとなるわけだ。宇宙の広大さを感じるとともに、小さなスケールにも大きなスケールにも似た構造が当てはまるという自然の神秘性も感じる。ひょっとしてこの宇宙自体もブクブクしたなかのひとつの気泡にすぎなかったりしてと、想像がふくらむ。 天文学者達の地道で膨大な観測の結果、宇宙の最大構造が泡であるという結論が導き出されつつあるらしい。日常の身近にある泡の構造から始まって、太陽の泡構造、銀河系の泡構造、超銀河系団の泡構造へとテーマがエスカレートしていく。どきどきしながら読んでいける。 泡宇宙論 (ハヤカワ文庫―ハヤカワ・ノンフィクション文庫)を楽天で検索 |