はじまりのうたをさがす旅 赤い風のソングライン

はじまりのうたをさがす旅 赤い風のソングライン

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はじまりのうたをさがす旅  赤い風のソングライン

はじまりのうたをさがす旅 赤い風のソングライン


価格:¥ 1,890(税込)
文藝春秋  (2004-09-11)
/川端 裕人/
単行本 347ページ
売れ筋ランキング:559790
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ペンギン、日本人と出会う

フツーのサラリーマンが、遺産相続をめぐってサバイバルゲームに巻き込まれた。
なんていうと何やら事件のにおいを感じてしまうのだが、
そんなことはおくびにも出さず、けっこう淡々と綴られている。
遺産相続の話も、先祖の武勇伝も、過酷な砂漠横断も、
「こんなこと、あるワケないじゃん!」とツッコミを入れつつ、
「あったらいいなあ、面白いよなあ」と思いながら読み進んだ。

「ソングライン」とは、オーストラリアの先住民、アボリジニたちが歌で作った地図のことだそうだ。
一歩歩くごとに目に入るものに名前を付け、歌の中に組み込んでいったという。
アボリジニたちの歌は、私たちの祖先を思い出させた。
かつて日本では文字がなく、伝達手段は口承のみだったのだ。
北米大陸のネイティヴ・アメリカンとも同じく、アニミズムの思想を持っている。
私たちが大地を所有しているのではなく、私たちが大地に属していて、
生きるために必要な分だけ大地に分けてもらうのだ。
そして、泉なら泉の、木なら木の神に感謝することを忘れない。
そうやって、命をつないでゆくのだ。

ソングラインを辿る旅は、主人公隼人にとって、自分を見つめる旅になった。
自分だけでなく、大きな世界を感じられるようになったのではないだろうか。

この作者の小説を「現実逃避」と切り捨てる方もおありでしょうが、
私のような世俗のしがらみにがんじがらめになってる者にとっては、
手っ取り早く、かつ安上がりな手段なのです。
作中に出てくるブルース・チャトウィンの『ソングライン』も読んで、
もう一度この本を味わおうと思います。
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