いのちなりけり |
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よかったです。武士の男気、女性の芯の強さを感じます。取り囲む脇役陣もそれぞれ個性的で光っています。ラストのシーンはもう想像できちゃうんですけど、やっぱり泣いてしまいました。人としてのたくましさ、ひたむきさ、ぜひ見習いたいものです。 水戸光圀が藤井紋太夫を殺害する場面からはじまる。天源寺刑部の娘咲弥の婿になる雨宮茂左衛門の息子の雨宮蔵人と文武にすぐれた深町右京(得度して僧になり清厳)との間で心ゆれる咲弥。島原の乱で一番乗りを果たす天源寺刑部と鍋島大膳亮、その時討たれたキリシタンの黒滝左兵衛の子供、黒滝五郎兵衛の暗躍。仇役は柳生新陰流の兵法者で伊賀の忍びの術も心得る巴十太夫。 御用人として辣腕を振るう柳沢出羽守保明の権謀術数。 咲弥への返歌を捜し求め続ける蔵人・・・・。読んでいて水野真紀の「蝉しぐれ」はすごくよかったのを思い出しました。映画化されるのが楽しみです。最初の方は人物が沢山出て来てメモを採りながら読みました。ネットで「鍋島藩」を先に読んでおけばばもっと理解しやすかったと思いました。 www12.ocn.ne.jp/‾kyubun/denfuji.htmのHPに藤井紋太夫の墓があります。 大変な剣の達人でありながら、できるだけ人を斬らずにすませたいひょうひょうとした武士・蔵人。 彼が、少年の頃からひそかに恋していた咲弥の入り婿になったのちに歩む、波乱万丈の人生を描いた作品。 武士道を描いた『葉隠』の前日譚になっているところが面白い。 水戸光圀と将軍綱吉を中心に実在の人物を多数からませて、権謀術数のまっただなかで自分なりの武士の美学を貫き、なにより恋をつらぬく蔵人の姿がとても爽快な作品である。 葉室麟氏の本は、ハラハラがあっても悲劇ばかりでは終わらないのが安心して読める理由だ。 漢詩、和歌両方に通じている作者のようで、この作品でも無骨な蔵人が、咲弥に贈る和歌を捜し求める姿が背景に描かれている。 武士が後世に残せるものは「心」だけ、和歌はその「心」を伝えるものであると蔵人が悟るところがとてもよかった。 いのちなりけりを楽天で検索 |