クライマーズ・ハイ (文春文庫) |
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3日間で読み終えたということは、魅力的な本だったのだろう。家族の大切さ、日々無事に過ごしていることの幸せ、を再認識させられる小説であった。 列車、航空が毎日のようにトラブルを起こし、それが当たり前になっている今、安全について今一度考えてみるきっかけとなる良書かと思う。 ただ残念なのは、「著名な横山氏が20年たった今、日航機事故を題材とした小説を書いた」だけである点だ。 読了後すぐに「沈まぬ太陽」を再読したくなったのがこの小説の位置づけをよくあらわしている。 題材のスケールが大きくても、良くも悪くも横山小説の域をでていない。 物語は一貫して新聞社内で展開され、クセのある登場人物や組織内の駆け引きなど、これまでの警察小説を呼んでいるような錯覚に陥る。 事実があまりにも圧倒的だったので小説の中で展開されているやり取りが作り物のようで、伏線をきっちり消化するミステリー仕立ての小説のつくりが裏目に出たように思う。 横山氏は直木賞を永久に辞退するなど、なにかと話題の多い作家である。そんな自分の立ち位置をよくわかった上でこの小説を上梓したのだろう。 酷評したが、氏の新聞記者としての貴重な経験を伝えていこうという姿勢には共感する。 もう一度同じ題材で、事故を中心とした視点で書いてほしい。 横山秀夫さんの長編としては始めて手にとった作品でした。 NHKで以前にやっていたドラマは見ましたが、やはり小説の方が面白かったです。登場人物一人ひとりの姿や感情の揺れが、まるで自分がそこにいるかのように、感じられました。 未読の横山作品がまだあるので、読んでみたいなあと思います。 日航機墜落事故を実際に記者時代に経験した著者だからこそのリアリティが溢れている。 そこには文章を書くことに慣れた作家ならではの、余計なもののそぎ落とされた 内容にふさわしい作品に仕上がっている。 また、単なる事故を取り巻く記者たちの描写だけでなく、 当たり前にある彼らのいくつもの日常を織り交ぜて 「クライマーズ・ハイ」という壮大なドラマにも仕上がっている。 組織に抗いながら飲み込まれてゆく悲哀と受け入れる強さ、 永遠に切り離せない生い立ち、取り返しのつかない過去、 フィクションとノンフィクションがあいまった力強さを感じさせる作品。 ドラマと映画が観たくなりました。 日航機墜落事故から23年。まだ歴史の一部になるには真新しい事故です。 私はこの当時小さ過ぎて記憶には無いのですが実際にこの当時の報道をご覧になった方も沢山いるでしょう。この事故を実際に目にした事の無い人は一度、この作品を読む前に周りの人に聞いて見て下さい。「この事故はどんなに凄かったのか?」と。 私の従姉妹(当時小学生)は御巣鷹山と聞くと、この事故の翌日に同じ日航機のジャンボに乗って九州に向かったそうです。その時ニュースで永延、死亡された方の名前が報道されて強烈に記憶に残っているそうです。 520名の死亡者を出した未曾有の大惨事。 この、御巣高山の墜落事故当時、作者の横山秀夫さんは地元群馬の新聞記者であった事からもこの作品のリアリティは生半可の物では無い。 この話は如何にして日航機が墜落したか。では無く、それを如何に報道、伝えればいいのか。地元新聞記者の真髄を見た気がします。 *1985年8月12日。御巣鷹山に発生した乗客乗員520人の犠牲を出した未曾有の航空機事故・日航機墜落事故が起こった。この史上最大の事故が起こった地元群馬の新聞記者・悠木が全権に任命される。一つの真実を記事に新聞に掲載する事への様々な葛藤。全権デスク・悠木を中心に様々な思惑、歴史的目撃者となった地元新聞記者達の思い。あくまで事故が主軸ではなくそれをいかに報道、伝えていくか、命を懸けて使命を全うした新聞記者の姿。あらゆる場面で己を試され続けた末の報道とは… 「悠さん どこへ行ったって、俺たちの日航デスクは悠さんですから」これには参りました。 横山秀夫作品の中でも個人的に特に好きな作品。 元新聞記者だからこそ書けるリアリティーに圧倒される。 これは横山氏の作品全般に言えることだが、氏の文章には日々 記事を書いていた確かな重みと静けさがあり、揺るぎない。 だからこそ熱い場面が逆に際立ち、読み手に訴える。 序盤、事件の第一報が入るシーンでは鳥肌が立った。 御巣鷹山日航機事故を巡って展開される記者達のハードな人間ドラマ。 心理描写は汗臭く、泥臭く、そして人間くさい。 はぐれモノのベテラン記者、「上」を目指す若手、過去の栄光にしがみつく上司。 それぞれが未曾有の事件を前にヒートアップし、 そして追い詰められていく。 日々組織で戦っている全ての人にオススメしたい、 勇気をもらえる一冊。 クライマーズ・ハイ (文春文庫)を楽天で検索 |