元刑務官が明かす死刑のすべて |
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日本の死刑囚がこんなに長く収容されてから処罰を受けるのを知りました。今現在は定かではないのですが、中国は、死刑判決を受けた当日に公開死刑をすると読んだことがあります。 長くいつ死ぬか恐れる日本とそうでない中国、でもその陰に見えなかった刑務官の姿を学びました。一番心に残ったのは、被害者が裁判所で、私の手で殺したいくらいなのに、被害者の写真1つ法廷に持って入れない、被疑者への怒り、そして囚人の家族も被害者である、それが手に取るように感じました。 あとは、幼いわが子を邪魔になったからと風呂で殺す。 今簡単に他人の命を奪う犯罪が増えています。これも刑務官の任務を考えると安易には言えませんが、倫理、道徳が薄れているように思われます。安易な犯罪を起こさないためにも、公開にしてもいいような気がします。 前半はよくある単なる死刑反対派の読者洗脳本かと誤解を受けやすい内容でしたが、中盤からは実経験に基づいた小説仕立ての、どうしようもない死刑囚や、演技で死刑逃れした人の記述等があり、あとがきでは、筆者は死刑反対派であることを明言したのに関わらず、賛成派の学説にもきちんと触れており、筆者の個人的意見を読者に押し付けない良書と思いました。 終始死刑について書かれているので、読んでいて非常に気が重い。集中し、エネルギーを使うので覚悟して読み進めていただきたい。刑務官の目線から死刑を描いていて、リアルさはこのうえない。 死刑の過酷さ、悲惨さを知ったからといって、世の中の犯罪が抑止できるかわからない。また、被害者感情が緩和されるのかもわからない。ただ、死刑制度に目を背けて社会を生きるには、図々しさを感じ、あまりに陽気で、危険な国民感情かもしれない。 司法にもっと興味を持ち、国民が成熟する必要があると思う。 懲役刑の延長が死刑でない訳で、腕一本とか眼玉2個とかで罪を購うことがどうかと。 被害者の遺族が極刑を望む気持ちはやっぱり犯罪被害者でないわが身にはよくわからない。刑を執行する刑務官の、家族にも近所の人にも言えないようなそういうことって何とかならないのかと。 行政の力が強すぎる近代国家においてはやはり死刑はよい刑罰ではないように思いますが。 著者は元刑務官なので、さすがに細かいところまでよく描かれている。 死刑が決まってから、何年も死刑囚とコミュニケーションをとっていれば、刑務官にも親しみが沸いてくるようだけども、その死刑囚の死刑を執行するのもまた刑務官であるところが、一番つらいんじゃないかなあと思う。 これが「死刑のすべで」ではないだろうけど、死刑制度の是非を論じる際には必ずこの実際に執行する「刑務官の目線」というものが必要になってくるだろうから、それを知りたい人にとってはちょうど良い本だと思う。 元刑務官が明かす死刑のすべてを楽天で検索 |