<原作本> キリクと魔女 |
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実は映画を観てから原作に当たった。高畠氏の講演会の後、評判のいい外国作品をアニメ化したという安易な認識を突き崩されたからだ。主人公と魔女との対決という構図そのものよりも、キリクが孤独であることの方がより問題だった。今まで意識しなかった、童話の世界でははっきり表明されなかったせりふがあまりにも印象的だった。 「黄金(きん)がなくても生きていけるけれど、水がなければ生きていけない」 「いつでもいるんだ、わたしたちに苦しみを与えたがる人々が。その人たちをこちらは苦しめたりしないのに。そのことは分かっていなくちゃいけない、水はぬらすもの、とか、火は燃やすもの、とか同じように」 「そうか。必要なのは、前もって覚悟しとくってことなんだね」 「ときどきぼく、少しだけど疲れてしまうんだ、戦うのはいつもひとりだから…、少しだけど、自分が小さいって感じるんだ、少しだけど怖いなって思うんだ…」 母親・祖父・魔女、また村人たちとの会話の中で、キリクが「まっぱだかな無心さ(イノセンス)」「いつも目を覚ましている知性(あたま)」「自由な知性」を、いかに使っているか。一寸法師を連想させるような予定調和のラストシーンではあるが、村の男たちの歌が個人と全体の共通の問題を提示していて、なるほどと感じさせる。また、傷ついた心の持ち主である魔女の在り方が、ジェンダーを意識させて興味深い。 フランス発のアニメを、スタジオジブリが国内向けにプロデュースすると言う事で、勝手に子供向けの本だと思っていたのですが(そのために小6の娘用に購入したのですが)、読んでみて驚きました。確かに童話のような読み口ですが、内容はとても哲学的な要素が多く、考えさせられます。 著者がフランス人というのも影響しているのでしょうが、大人の方にこそ、是非じっくりと読んで頂きたいと思います <原作本> キリクと魔女を楽天で検索 |