フラクタル造形 (SD選書) |
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IBMの研究員ベノア・マンデルブロがある形状を「フラクタル」と名付けた。それは、どんなに拡大または縮小しても形に変化がない(自己相似的)というものだ。 雲とか海岸線とか、自然の形状がフラクタルであると発見されていった。これらの形はじつは無秩序なものでなく、数学で表すことができるとわかったため、形を分類する上でも見直しが必要だったという。 フラクタルの法則性を利用し、人工的に造った形の例として、コッホ曲線やシェルピンスキーのガスケットが紹介されている。また、大きな三角形を次々と分割させ、それぞれに見た目の角度をつけることにより、山脈をCGで再現した例も載っている(これはマンデルブロが開発した)。つまり、自然の中から数理性を抽出して、それを使って別の自然を表現しているのだ。 後半で、フラクタルを建築やデザインなどに当てはめた例がたくさん紹介されている。ポストモダン建築の次のスタイルであるディコンストラクション(脱構築)の中でもフラクタル造形は使われている。国内の例としては、建築家・原広司の建てた「ヤマトインターナショナル」が詳しく紹介されている。写真を見て、「ここ、これこそフラクタル!」とピンとくるものはなかったけれど、たしかにその形はモクモクと広がっていく入道雲のようだった…。 途中でフラクタルから離れて、自然の機能性や、造形と数理性の関係などについても触れられているので、「フラクタルとはなにか」を知るにはぼやけている。けれども、自然がつくる形(オーガニック形体)などは、フラクタルとも非常に近いものだし、フラクタルもほぼ自然の中に内包されているものだから、「自然と形体」という大きな括りで読むことができる。 フラクタル造形 (SD選書)を楽天で検索 |