文章教室 (河出文庫―文芸コレクション) |
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「作者の目線」が遺憾なく発揮。 作者にしては有り難く読みやすい。くみしやすいという訳ではないのですが。 誰を指したわけでも、伏せ字にしたわけでもないのにあれは自分のことだと言う人間たちがいたとかいないとか。 高橋源一郎は金井美恵子のことを「賢くて意地悪なひと」と評していたが、まさにその通り。この本を一冊読むだけで作者の頭の良さは十分に伝わってくるし、意地の悪さは十二分に伝わってくる。 過去と現在が錯綜し未来について数行で語られる。そして延々と過去の描写が続いたりする。非常に読者に不親切な書き方をしているのだが、そもそも作者は読者に親切であろうなどとは思ってないようだ。 作中に登場する「現役作家」の文章では様々な作家の文章を引用し痛烈に皮肉ったりもする。ただ、読書量の豊富でない僕にはどの文章が誰の文章なのかちっとも分からないのが少し残念だった。 僕には少し、合わなかったかな。 にしても、時折挟まれるセリフに頷かされることがあったことも事実。技量のある作家さんだと思います。 金井美恵子の本は読んだのがまだ3冊ですが, 非常に不思議な感心のさせられ方をします。 少女というものは大概,鼻持ちならなくて,人と生活の表れ様すべてを見下しているものですが, 少女を極めると金井美恵子になるなぁと言う感心です。 本小説は不思議なつくりをしています。 文章教室に通い始めた主婦(モノローグのあふれる不倫実行中)とそれを取り巻く人々を,典型的文学文章で彩って, ああ,少女になまじっかあふれる才能を与えてしまうと,おばさんになれずに金井美恵子になってしまうのだ。恐ろしいことです。 金井美恵子は「頭が良くて意地悪」とは高橋源一郎の言葉だけれど、その評にふさわしく、彼女の作品は辛らつなユーモアにあふれている。 文章教室に通う主婦絵真、その娘桜子(サラ)を軸に描かれる人間模様は、掛け値なしで面白い。もしも文学や文芸批評を好きであればなおさらのこと、楽しめる仕掛けも隠されている。デイヴィッド・ロッジを楽しめるのだったら、日本の文学は金井美恵子で楽しんで見ると良いかもしれない。 文章教室 (河出文庫―文芸コレクション)を楽天で検索 |