飛び道具の人類史―火を投げるサルが宇宙を飛ぶまで |
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「数量化革命」の歴史学者アルフレッド・W. クロスビーの新作(といっても原著は2002年)です。久しぶりに連続で一気に読まずにはいられない本でした。 「ヒトの優位性は、物を遠くに投げ火を扱う能力・意欲にある」という仮説が、クロスビーの頭脳に蓄積された膨大な知識によって十分な説得力を持って強化されています。ばらばらだったパズルが、サーっと一枚の絵に再構成されていく爽快感があります。 仕事・生活に埋没してついつい自身の肉体的な機能・能力への関心が薄れてしまう現代人の中にも、野球やサッカーへの説明のできない関心と郷愁を持っている人はたくさんいますが、それはヒトとしての成り立ちに起因しているのかもしれません。終盤、人類が宇宙を目指す話まで話は広がりますが、それも進化の必然と感じさせてくれる結びでした。 本筋とは離れますが、もうひとつ感想。オスマントルコがコンスタンチノープルの攻撃に使った臼砲の技師やナチスがイギリス攻撃に使ったV2ロケットの開発者など、技術者は権力者のポリシーを問わず場合によっては鞍替えしてまで「火を投げる技術」の開発に没頭するします。人類における「利己的な遺伝子」を見る思いがしました。技術者は権力者のための道具を準備する脇役ではなく、より本質的な存在なのかもしれません。時の権力者は、その遺伝子を継承するためのコンテナとして機会と資金を準備するだけの存在に過ぎないとしたらどうでしょう。業界は違いますがたとえばGoogleを見ているとそんな本質が表面にも浮き出ている気がしてきます。 「銃・病原菌・鉄1万3000年にわたる人類史の謎」、「文明崩壊」のジャレド ダイアモンドの進化生物学者としてのアプローチと読み比べるとさらに深みが増す感じがします。 飛び道具の人類史―火を投げるサルが宇宙を飛ぶまでを楽天で検索 |