ダライ・ラマの仏教入門―心は死を超えて存続する (知恵の森文庫)

ダライ・ラマの仏教入門―心は死を超えて存続する (知恵の森文庫)

売れ筋ランキングダライ・ラマの仏教入門―心は死を超えて存続する (知恵の森文庫)  
ダライ・ラマの仏教入門―心は死を超えて存続する (知恵の森文庫)

ダライ・ラマの仏教入門―心は死を超えて存続する (知恵の森文庫)


価格:¥ 520(税込)
光文社  (2000-06)
/ダライ・ラマ十四世テンジン・ギャムツォ/
文庫 226ページ
売れ筋ランキング:6098
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報道やインタビューを通じ、ダライラマの並々ならぬ知性と教養を直感しました。いろいろ物色し選んだ一冊ですが、この薄い一冊で、仏教思想の一番核心の部分がおよそ判った気になりました。レビュアは宗教や哲学に通じていないので、それは錯覚でないとは断言できませんが、やはり優れた内容だからだと思います。すなわち説明にごまかしや無駄がないように思います。たとえば、実在の有無を因果関係(縁起するかどうか)があるかどうかで判断し、縁起するものは存在しない無に過ぎないとする。もちろん高度な内容ですが、自分の頭でこういう種類の形而上学を考えようとしたことがある人なら素直に受け入れられるように思いました。個人差はあると思いますが、仏教についてまだもやもやした疑問がある方は、一度読まれたらどうでしょうか。
 観音菩薩の化身であり、チベットの精神的盟主であるダライ・ラマは、チベット仏教の一派:ゲルク派の僧。ゲルク派では、他利の教えを重視する大乗仏教・中観派(中観帰謬論証派)の見解を重視する。ちなみに、中観派とは、「中論」の著者「龍樹」によって創始された学派で、帰謬法(背理法)によってあらゆる事物は「空」であり、「縁起のうえに仮設(けせつ)されたもの」であると主張する、超論理的思考法が特徴的。

 本書は講演とインタビューに基づくものであり、「脳死」「安楽死」「臓器移植」「堕胎」に対する見解など、非常に現実的な内容をも含んでいる。机上の空論ではなく、実際の現実を生きていくための知恵が多数盛り込まれているのは、宗教的指導者としてのみならず、政治的指導者として現実と向き合ってきた証だろうか?さらに、一般論ではなく、個人の置かれた立場や状況によって個別のアドバイスしようとする点も非常に現実的に思える。

 とはいうものの、宗教的(哲学的)思想もしっかりと述べられており、読み応えはあるものの、専門的知識がないとなかなか理解しづらいのも事実。個人的に理解できた部分だけ要約すると、ダライ・ラマは、自分のみの「輪廻からの解脱」を求める「小乗仏教」に対して、自らの悟りばかりでなく一切の命あるものの輪廻からの解脱を目指す「大乗仏教」の立場をとり、その究極的境地を「仏陀の境地」と表現、それを如何に理解・実践すべきか(理論と実践の両立)を詳しく説いた内容となっている。実践に際して、密教の要素を取り入れているのも特徴的。

 ちなみに、最新号の日本版ニューズウィーク(2008.07.02号)でも「世界宗教入門」と題する特集が組まれており、それによると非暴力を貫きながら政治や社会活動に積極的に関与する「行動する仏教」や暴力を容認する例外的な集団の台頭などが近年では目立つとのこと。

ダライラマによる仏教の入門書です。仏教の基本的な考え方がわかりやすく解説されています。英語からの翻訳ということで、そのためにむしろわかりやすくなっているところがあります。習気(じっけ:ヴァサナ)という仏教用語が「潜在力」となっていて意味としてはむしろとりやすくなっています。
仏教寺院をおおくもつ日本ですが仏教への認識がいきわたっているとは言いがたい現状のなか、このようにわかりやすく親しみやすい仏教書がでるのはいいことだとおもいます。
小乗仏教、大乗仏教の違いはもとより仏教の根本的な事が書かれてます。
初心者でもわかりやすくまとめており、注釈での補足がありがたいです。
チベットは密教のイメージが濃いですが、宗派を超えても読まれていいと思います。
この本はLondon のCamden Hall で3日間にわたって行なわれた講演をまとめた英文の書“The Meaning of Life from a Buddhist Perspective”の訳本です。原書にない翻訳者の詳細な注が、ダライラマ本人の話に勝るとも劣らない丁寧な解説で、仏教の初学者には理解の助けになります。また、日本人向けの内容として、翻訳者とのインタビューをもとにした章が新たに付け加えられています。この意味では、原書を超える内容になっています。ただし、原書と比較してみると、挿絵はすべて差し替えられおり、特に、カラーのものは原書の方が鮮明です。ダライラマが口語で話している部分が文語に書き換えられ、彼の喋ったジョークや講演が行なわれた日付けが省略されています。章の分け方も原文とことなります。また、残念ながら、質疑応答の部分がすべて削除されています。よって、原書の忠実な翻訳とはいえません。ダライラマの研究者には、英文原書をあたる必要があります。
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