この響きの中に―私の音楽・酒・人生 |
|
売れ筋ランキング > この響きの中に―私の音楽・酒・人生
クラッシックを志している者のひとりとして、朝比奈氏のことばはずっしりと心に響いてきます。身のひきしまる思いで何度も繰り返し読みました。今後の益々のご活躍をお祈りしています。 演奏や楽曲以外の歌舞伎や、料理の話などを綴った文章も非常に面白かったりします。中でも歌舞伎の市川寿海丈への賛辞(今の朝比奈さんの音楽への取組に共通するものがある)。ボルシチのレシピ(口上を思わせるリズミカルな文体に感嘆)がおすすめです。 1日でも長く生きて、1回でも多く舞台に立ちたい――。世界最高齢の現役指揮者、朝比奈隆が、長きにわたり新聞や雑誌に寄稿した、音楽、人、酒、食、旅、そして人生についての味わい深い随筆集である。 朝比奈は1908年の明治生まれ。戦時中は中国大陸でオーケストラを指揮し、戦後の復興期から現在まで半世紀以上もの間、大阪フィルハーモニー交響楽団を指揮し続けている。94年には文化勲章を受章。海外での活躍も目覚しく、内外で世代を超えた熱狂的なファンをもつクラッシック界の巨匠である。 まず、朝比奈哲学の集大成ともいえる簡潔で透徹した文章に、深い感銘を受ける。タクトを振りながら書いたのかと思うほど臨場感あふれる「第九」論や、深い洞察力で「響き」について論じたヨーロッパのコンサートホール論には、実際に「第九」を250回以上指揮し、海外の70近いオーケストラに客演した者だけが到達し得る極みがある。 また、愛する酒のうんちく話や、ひたむきな青春時代のエピソードからは、指揮台の凛然とした立ち姿とは別の、感動屋でほがらかなプライベートの一面がうがかわれ、興味はつきない。グレン・グールド、坂東三津五郎など「忘れえぬ人」の思い出話や、若き日の朝比奈の貴重な写真も数多く掲載されている。 専門的な話題からよもやま話まで多岐にわたるこの随筆集は、ファンはもとより広い層の読者に受け入れられるだろう。この書が、この偉大なマエストロを知り、コンサートに足を運ぶきっかけとなることを願いたい。(五十嵐アキエ) この響きの中に―私の音楽・酒・人生を楽天で検索 |