TOKYO0円ハウス0円生活

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価格:¥ 1,575(税込)
大和書房  (2008-01)
/坂口 恭平/
単行本 277ページ
売れ筋ランキング:139307
隅田川のエジソン
0円ハウス
ASAKUSA STYLE 浅草ホームレスたちの不思議な居住空間
ダンボールハウス
いま生きているという冒険 (よりみちパン!セ)

家がないと書いて「ホームレス」のはずなのだが、この若者は、建築の視点から路上生活者の生態をつぶさに観察し、それを体系化してしまった。ホームがないわけではないのだ。むしろクリエイティブなのだ。
 「ダンボールハウス」の長嶋千聡と、ホームレスに目をむける視線の近さを感じた。つまり、蔑視でも無視でも同情でもない。ホームレスに対する世間一般のステレオタイプな反応とはまるで違うのだ。そして、坂口恭平の紹介するホームレス鈴木さんの、なんと先入観を裏切る佇まいよ!一見、普通に社会生活を送ってるように思える“一般人”よりも、よっぽど社会性を身につけている。なんたって、イキイキして明るい。屈託がない。ふところが深い。生活に対する飽くなき工夫、向上心、そしてその生活の充実ぶり!昨今の無差別殺人とか家族間殺人なんかの報道を見るにつけ、全般的な“人の力”の低下を感じない訳にはいかないんだけど、鈴木さんには微塵もそういう影が見られないんだよね。やっぱ、みんな「金」とか「人との比較」とか「存在感」とかにやられちゃってると思うんだよね。なんか、みんなが「金持ち」や「有名人」を目指してて、そうなれなきゃ生きてる意味がない、みたいな勘違いしてる気がする。鈴木さんの生活は、金なんか必要最低限ありゃいい、人様に迷惑さえかけなきゃいい、気楽に楽しく生きられりゃそれでいいってことを思い起こさせてくれる。「身の丈」「身の程」ってことですよ。この本読むとすごく謙虚になれる。自分の傲慢さに気付かされる。なんたって、その生活ぶりは読んでて楽しいし、正直羨ましい。
 しかし、この著者の自然体は才能だね。そして、多摩川を河口から源流まで辿り、ホームレスホーム(この言葉の矛盾!)を一軒一軒訪ね歩くその好奇心の強さ!脱帽です!
朝日新聞などでも話題となった坂口さんが学生時代から路上生活者の家と生活を観察し、
更に路上生活者の代表者たる「鈴木さん」を中心に訪問、インタビューした内容を
中心にまとめた書です。
本書を読んだ素直な感想ですが、路上生活を美化しすぎるのも問題だと思いますが、
鈴木さんのような生活が実践できるのは、少し羨ましいと思います。それというのも、
家も0円なら、生活も0円(正確には路上のもので得た収入)で暮らす、究極の
エコ生活を無理なく実現しているからです。そこには、路上生活者だけではない地域の
人々との人間関係も築かれ、更には自分で生活を選択しているという自信が漲って
いたからです。
路上生活の人々は私とは全く異なる世界観で動いているので、きちんと理解できているかは
心許ないですが、鈴木さんのような人もある割合で存在してることは事実で、とかく
路上生活者というと話題にも触れられないような社会の暗部にも思ってしまいがち
ですが、明るく前向きに暮らすことも可能で、そこには、社会の落伍者や仕方なく
そこにいる、といった印象は全く受けませんでした。
建築を専攻していた坂口さんの視点で写真やイラストが豊富で、特に住居のイラストなどは
妹尾河童氏の「河童が覗いたインド」を髣髴とさせる緻密な描写で楽しめました。
いわゆる世間一般的にはホームレスと言われる鈴木さんの家を訪ね、その生活や家について深いインタビューをしている。
鈴木さんは、非常にポジティブで、頭の回転が早く、とても器用だ。そして、たくましい。
彼に家があるということは、果たして鈴木さんをホームレスと呼ぶのが正しいのか、どうなのか、わからなくなる。
ホームレスを扱っているのに、まったく暗くならない、読後感がとてもいい本だった。
筆者自身の学生生活、探してきたものの章も非常に面白かったし、本全体の構成もいい。
ぜひ読んでみて欲しい、とても強く勧めることのできる本です。
先日テレビで変わった建築家を知った。
その人は自分で家を作るのを手伝う(アドバイス&手伝う)建築家だった。
自分で自分の家を作る。
それは本当に「自分の家を知る」ことが出来るという意味だ。

よくある何の変哲も無い輪ゴムをひとつ手にしてほしい。
一個1円するかしないか。
そして「この輪ゴムを作ってくれ」と自分で自分に頼んでほしい。
実はなんにも出来ない自分に気づく。

自分で自分の家を作る人。
自分で自分の家を作ってもらう人(作れない人)。
作れない人が作る人を見下してはいけない。

住宅もそうだが、いかに無駄なもののために金銭や時間(労働も)という膨大なコストを費やして絶対多数の人が「それを無自覚に」、いやよくわからないことをさも「常識でしょ?!」と思い込んで(思い込まされて?)生きているか。

そして人にも生きものにも、棲家は大切だ。
だから与えるのではなく本書のように、自由に家を作っていいホームレス(ホーム有りだが)たちのエリアの配置を願う。
そうすれば近隣とのトラブルや追い出し問題も減少するだろう。
なによりホームレスたち(ホーム有りだが)が落ち着ける。

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