考現学入門 (ちくま文庫) |
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自殺場所分布図の作成から女性の髪形の収集、多数のカケ茶碗の観察など、その興味の範囲は非常に多岐にわたり、その探究心たるや奇人・変人の域に達している。ありふれた日常に対する異常なまでの観察力、それをスケッチにより整理・記録する執念には感心させられる。少し先輩に当たるが、南方熊楠と同じオーラを感じてしまう。 膨大な今和次郎の業績を、一冊の文庫本にバランスよく収めた好著。家屋、服装、「銀ブラ」、理論などを章ごとにまとめ、今和次郎の仕事を簡便に見渡すことが可能である。図版もしっかりと収載されており、関東大震災以降の日本の大衆の姿態、慣習を視覚的に把握することができる。師である柳田国男とは異なった感性から日本を見出そうとする彼の作業は何とも魅力にあふれているが、観察に熱心なあまり、それを駆使しての考察がさほど見られないのは残念である。だが今となってはその観察自体が稀少な資料となっていることはいうまでもない。 考現学入門 (ちくま文庫)を楽天で検索 |