思考としての感染症、思想としての感染症 |
|
売れ筋ランキング > 思考としての感染症、思想としての感染症
「感染症」の本、というより、臨床医として後進への挑発的なロールモデル でありアジテーターであろうとする稀有の存在である著者の、医療に向かう そのスタンスを吐露した読み物エッセイ。エッセイの語源通り、風刺も毒も ありつつ、根底には理想と情熱がある。これから大学病院を舞台に、著者が さらに目指すものは何だろう。 前書きに著者自身が書いておられますが、難しい内容です。感染症の診断や 抗菌薬の使用法、といったレベルの議論ではなく、その上の哲学的なレベルでの 議論が展開されます。(研修医の先生が感染症の勉強をしようと思って読む本では ありません)かといって机上の空論ではなく、現実に起きている問題点にどのように 対峙していくべきか、実際の行動につながる示唆・提案に溢れています。 青木先生のマニュアルとはまた違った意味で驚愕し感銘を受けました。 日本の感染症(に限らず)行政の問題点を筆者ならではの視点で鋭く指摘しておられます。 決められた業務を決められたように行うことが業務であり、その意義や目的を考えていない、 行政が患者・国民の方を向いていない!と。おそらく筆者の意見を「過激」「失礼」と 感じる読者もおられると思いますが、私個人は著者の意見に賛同します。 よくぞ言ってくださった!の感です。現場の医療従事者と医療行政担当者は対立して足を 引っ張り合うのではなく、同じゴールの方を向いていなければいけないはずなのに 現実には・・・というご指摘に何度もうなずかされました。 と同時に自分も問題発掘能力や質問想起能力に秀でてはいないなぁ・・といろいろ 反省することとなりました。臨床医だけでなく保健所など医療行政関係者はぜひ 手にとっていただきたいと思います。 同時期に発刊された「オランダには何故MRSAがいないのか」と一部内容が重複していますが こちらの書籍も秀逸と思います。著者は日本とオランダとの彼我の差に愕然とされた そうですが自分は一回りも年の違わない著者と自分との彼我の差に愕然としながら一息に 読んでしまいました。 本書は近年他に類を見ない画期的な本だ。 「かぜ」症候群の記載にはじまり、医療を取り巻く患者、行政、社会について、また「やまい」の認識論についても考察しているが、抽象的な記載はなくすべて臨床に即している。 ●読者、製薬会社、患者におもねていない。例えば青木眞氏の紹介はあっても「構造主義」や「オッカムのカミソリ」の説明はない。 自分で学べということなのだろう。製薬会社のパンフレットのいい加減さ、薬害問題での患者責任など氏自身の考えをきちんと述べている。 ●診療において「原理主義」を排し「中腰」を主張しているのもうなずける。意味は本書を見てほしい。 ●ニーチェから「漫画もやしん」にいたる幅の広さと、HIVケアから風邪薬PLにいたる深さ、さらに性教育のあり方などもすんなり受け入れられるようにかかれている。 医師の仕事とは何かを広く深く考えさせる。若い医師はゆっくりかみしめながら読んでほしい。 思考としての感染症、思想としての感染症を楽天で検索 |