図説「最悪」の仕事の歴史 |
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病気に罹り暗鬱とした気持ちで病院にいくと、治療の効果に関わりなく、完治したような気持ちになって帰宅できることがある。病院には重篤な症状を抱えた人がたくさんいて、「そんな人に比べれば自分の症状なんてへっちゃら!」と思えてきてしまうからだ。 そんな私と同じように、少々ひねくれた癒され方ができる人に、本書『図説「最悪」の仕事の歴史』はおすすめ。 自分の仕事に不満を抱いていとき。自分の仕事におもしろみを見出せないとき。自分の仕事に将来性を見出せないときに、この本を開いてみよう。今から何百年も昔の人たちの、それはそれは過酷な仕事について知れば、自分の仕事の悩みなんてちっぽけなものと思えてしまって、明日からもまたがんばって出勤できるエネルギーがもらえるはず。 目を覆いたくなるような仕事の連続なのだが、気づくことは今も昔もキツイ仕事というのは3K(きつい、汚い、危険)であるということ(それにプラスすると超絶に「退屈」というものもある)。もしかして、本書に登場する彼らこそが、元祖ワーキングプアだったのかもしれない。 もっとも、私たちの生きた時代と彼らの生きた時代では「人権」というものの有無という人間の根幹にかかわる状況が違っているので一概には語れない。彼らには人権が認められていなかったのに対して、現代のワーキングプアは人権が保障されているにもかかわらず、人権を蹂躙するような苛酷な労働環境におかれているからだ。 残念なのは、すべてがヨーロッパ、特にイギリスの職業であるということだ。日本でいうところの平安時代から幕末ぐらいまで。探せばいくらでもあるだろう<日本版>「最悪」の仕事の歴史。誰か出版してくれないかなあ・・・。 英国で過去に存在した数々の「最悪の仕事」を、ローマ時代からヴィクトリア時代の各時代ごとに紹介している。本書の著者であるトニー・ロビンソンが進行を勤め、チャンネル4で人気を博した英国のTV番組がもとになっている。 チャンネル4は人気民放局。トニー・ロビンソンは人気司会者。(誤解を恐れずに言えば)「みのもんたが各時代の最悪の仕事に挑戦!」みたいなバラエティ番組の書籍化といったイメージであろう。学術書だと思って読むと拍子抜けするが、バラエティ番組だと考えれば、よく調査されている。 本書に出てくるのは庶民のつらい仕事ばかり。しかし、考え方によっては現代日本にも同じくらいつらい仕事もたくさんある。でも、実はそういった仕事が社会の発展を支えている…。そんなことを考えさせられた。確かに「最悪の仕事」が本書のテーマなのだが、英国流のユーモアたっぷりの文章で表現されているので、それほど深刻になることなく楽しめ、ある種の清々しさを持った本に仕上がっている。 図説「最悪」の仕事の歴史を楽天で検索 |