「本当の自分」はどこにいる―自分探しの心理学 |
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現代は自分探しの時代といわれる。本書では自分探しを、その人の状況に応じて「本質的な自分探し」「状況的な自分探し」「自分創り」とに分類し、それぞれの原因と対処法が書かれている。 抑圧や劣等感によって意識から追放してしまっている人は「本質的な自分探し」が必要であり、自分自身を変えていかなければならない。一方、適さない仕事や仲間を選んでしまったために自分探しが必要な人は、適さないことを選んでしまう心理を理解するとともに、環境を変えることが有効となる。幼少期の環境や甘えによって何に対しても努力をしてこなかった人は、まず「自分創り」が必要だという。 社会心理学者であり、本人もまた若い頃に「本当の自分はどこにいる」と深く悩んだ経験を持つ著者の自分探しに対する考えは非常に深く、的を射ていて、自分探しで悩む多くの人の役に立つと思う。 ただ、本書は第5章とエピローグはとてもよくまとまっているのだが、その他の章はよく推敲された説明文というよりもむしろ筆者の頭の中に浮かんできた考えをとりとめもなく綴った随筆のようにだらだらと書かれていて、ところどころ参考になる考え方も見つかるのだが、全体として内容が希薄な印象を受けた。非常に短い一行の文でいちいち改行され、詩のように書かれている箇所が多く、あれこれとだしぬけに例が挙げられているのだがいまいち何が言いたいのかわからない表現や、説明文には不必要な情緒的な表現などがみられて読みにくかった。また、本書の大部分は、著者が執筆時に読んだ『ニート』(玄田有史,曲沼美恵著、幻冬舎、2004)と、著者が訳した『ブレイン・スタイル』(マーレーン・ミラー著、講談社、1998)からの引用が多用され、筆者の読書感想文になってしまっていた。 約250ページの本書は30ページぐらいにまとめれば、要点がわかりやすく、内容も深く充実した価値の高い本になると思う。 「本当の自分」はどこにいる―自分探しの心理学を楽天で検索 |