小説を読みながら考えた

小説を読みながら考えた

売れ筋ランキング小説を読みながら考えた  
小説を読みながら考えた

小説を読みながら考えた


価格:¥ 1,680(税込)
双葉社  (2007-04)
/養老 孟司/
単行本 311ページ
売れ筋ランキング:230716
ぼちぼち結論 (中公新書 1919)
バカにならない読書術 (朝日新書 72) (朝日新書 72)
養老訓
科学は豹変する
身体の文学史 (新潮文庫)

非常に面白い本だと思います。

2000年11月〜2006年10月まで各月で「小説推理」に連載されていた(現在も継続中)エッセイをまとめたものです。つまりバカ当たりした「バカの壁」の前からの執筆なんですね。
一応読んだ読んだ本を紹介しながら進めるエッセイのようですが、本質は養老先生のモノの見方に裏付けられた養老節(ボヤきも含む)が炸裂している本です。
近頃の養老先生のスタイルである口述筆記ではないのも、私としては好きです。

本文中の中で、先生の文章は飛躍があると言われており、それをもう一人自分とは異なる脳(編集の方)を経由することで伝わりやすい文章になる、それがウケが良いのだろうことを述べているが、片方では引っかかりのある文章の方が考えるきっかけになるような表記もあります。私としては、引っかかりのあるほうが好みなので、軽い感じのする口述筆記より、筆記スタイルの方が先生の主張がわかりやすいと思います(好みの問題かもしれません)。
また、他のエッセイよりも気楽に書いているらしく、それがすごく主張にメリハリやキレを与え、他のエッセイよりも面白く感じます。

特に「学問とは方法論である」という話は、目からウロコ。解剖学の手法で人間(死体?)を対象にすれば「解剖学」、社会を対象にすれば「社会学」とレべリングされるが、手法や視点は自分のやってきた解剖学であるということ。
これは今まで自分がやってきたことで他の対象を扱うことが可能なことを示唆しており、自分にはない視点だったので、非常に印象的でした。

養老先生のエッセイを読まれようとしている方で何から?と思っているとしたら、まずこちらから読むことをお奨めします。
2001年から2006年にかけて小説推理に掲載されたモノ。
題名の通り、書評でもあるが当時の社会情勢評論でもある。
ちょっと安心するのは、養老先生でもどんどん読書した内容を忘れていって読んだにもかかわらずまったく覚えていない本もかなりあるという。さらに読書メモをとってコンピュータに保存しても、何処に保存したか忘れる事がある。そしてメモを見つけても、本の内容を思い出せないことがあると。
また所謂まじめ本ばかりでなく推理小説やファンタジーをまさに濫読している。もちろん漫画も読む。

よく立花隆さんを「知の巨人」と評するが養老先生もそれに勝るとも劣らないほどの巨人である。

「頭がいい」人が必ずしも「頭が丈夫」ではないと母校の学者をチクリと指摘するなど養老節健在。身体が丈夫でなければ、頭は丈夫にならないのであると。ごもっとも。
以前出版された「ミステリー中毒」の続編。タイトルの通り、本を読みながら考えたことが書き連ねてある。それも整然とした思考と言うよりも、想念が湧き出るまま垂れ流しているような具合だ。しかも、後半はミステリーの紹介と言うよりも、殆んど社会論そのものになっている。しかしながら、その社会論が抑制が効いているものの痛烈な現代社会批判にもなっているところは流石だ。それにしても、これだけ本を読みながら、講演だ、執筆だ、はたまた虫採りだと、あれこれやり繰りする時間が良くあるものだと感心する(H19.6.11)。

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