刀と首取り―戦国合戦異説 (平凡社新書)

刀と首取り―戦国合戦異説 (平凡社新書)

売れ筋ランキング刀と首取り―戦国合戦異説 (平凡社新書)  
刀と首取り―戦国合戦異説 (平凡社新書)

刀と首取り―戦国合戦異説 (平凡社新書)


価格:¥ 693(税込)
平凡社  (2000-03)
/鈴木 真哉/
新書 222ページ
売れ筋ランキング:167332
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戦国の世では、奪い獲った首以外にも、自分の負った傷の具合を他人に証言してもらうことで戦功評価がなされた。それが「感状」として残された。著者はその「感状」に残された傷の統計を取って、戦国時代に使われた武器の傾向に結びつけようとしておられるが、、、それはあくまで生還した将兵の傷の具合の統計である。乱戦の中に実際に身を置けば、当然身体のあちこちに弓傷ぐらい残るだろう。刀傷を負うほどの接近戦ともなれば、生きるか死ぬかであり、多くは生きて還らなかった可能性さえある。そして、「感状」をもらうようなクラスの人間は、彼を守る下人に囲まれ、馬上でやや後方にいた可能性も高い。さすればこの統計の意味も、果たして著者が思うような結論に導けるものかどうか、はなはだ疑問と思わざるをえない。この論を真に受けて、日本の剣の文化が廃れることのないよう、誰にも慎重に構えてもらいたいと、願わずにはいられない。。。
この本を読むと、居合いをやっている人達はさぞ幻滅するでしょう。
なにしろ、刀は戦闘にはほとんど使われず、首を取るためのカッターとして用いられた、という内容なのですから。
居合いの型のなかには、鎧の間から刀を入れて切る、というのもありますが、では、あれはなんなのでしょうか?

そういう幻滅をしつつも、刀がなぜかくもたくさん残っているか、という謎解きにいどんだ作者の目のつけどころといい、それを解き明かしていく論法といい、非常におもしろく読ませていただきました、


俗に言う日本刀至上主義に一席を投じようとした本。実際に残っている資料を綿密に検証している姿勢には好感が持て、研究者の本領発揮というところ。
実際に刀と槍が道場で対等の状況で戦えば槍のほうが強い。また、戦場によっては近接兵器より飛び道具が有利なのは当然。その意味では当たり前の事をきっちり検証しているとも言える。
しかしながら逆に研究者が往々にして陥る弊害も散見。特に(恐らく、ではあるが)実地調査に乏しい。
山岳森林戦の古戦場や戦国の姿を残している城跡などに足を運べば、飛び道具の使用や長槍を振り回すのが難しいだろうと思われる狭所は現在でも残っているのだが、筆者がそう言う所を実地検分した上で書かれているとも考えにくいところがあった。別に戦争とはすべてが平地で行われるわけではない。
資料の一つとして、またチャンバラ至上主義に対する反証としては十分だが、刀が果たした役割全体を網羅している、とは言いがたい本である。
とは言え読むほうが冷静に読めば、普段はあまり目に留めない資料にまで言及している、なかなか興味深い本であるとも言える。チャンバラ至上主義に立ち向かう姿勢に1、統計調査面で1、珍しい資料に当たった点で1の、星三つ。
首取りという目的だけでは、行動の邪魔になる長くて重い刀を、それも場合によっては大小2本も実用重視の戦場に携行した理由を説明できません。それに長い刀では首はうまく切れないはずです。使用頻度は別にして、従来の認識通り刀は接近戦を想定してのものだと思います。
戦闘はこの著者の説のように飛び道具か槍が主だったのでしょう。どういう武器によって疵を負ったかという統計もそれを裏付けていると思います。でも戦闘が長びくなど理由でそれらが使えなくなってしまうとか、たまたま接近戦になってしまうという可能性は常にあります。そういう場合にも備えがなければなりません。合戦の多くは一方的になるので、実際には刀を使う間もなく片が付いてしまったかもしれませんが。それに、武士は合戦のようにまず装備をそろえてから戦うとは限りません。常に武器の用意をしておくのは当然です。平安貴族の周辺で武士の原型が生まれてから、江戸時代の終わりまで武士は身の回りから太刀または刀を手離したことはありません。だから戦場に携えて行ったことに対してわざわざ説明する必要はないと思います。こんな風に改めて書かなくてもあたりまえの話だと思います
第一の目的が首取りのためという首取り説には同調できません。でも、刀にまつわる色々な話は面白いですね。
 タイトルとは少し違って、もっぱら刀が合戦の中でとりわけ戦国時代にどのように使われたのかという論証が、この著者の特徴である「感状」に認められた戦場での負傷原因を統計的に分析した結果に基づき明らかにされている。
 それによれば、刀は現実的に有効な武器ではなく、遠戦では弓・鉄砲、接近戦では槍がもっぱら使用されており、刀はその構造上の弱点など(目釘が破損する・曲がる・刃こぼれする)のため、合戦において進んで使用されるということは極めて稀であったのではないかとしている。そして、そのもっとも有効な使用法が、相手を倒した後の首取りのときであったという。そういわれればそう思うが、うーむ、日本刀マニアが聞いたら血相を変えそうな推論ではある。
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