グレン・グールド発言集 |
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グールド愛聴家には心から楽しめる本だ 彼の奔放な(それほどシニカルではない)ユーモアと、およそ彼にしか分からない 考えで綴られる作曲家たちへの思いを読み明かすことができる。ベートーヴェンの ”ハンマークラーヴィア”について「自分は好きではないが金字塔である」として 正規録音はせずにラジオ番組用に演奏録音していたことや、「バーバラ・ストライザンド が好き」などなど、自由で闊達な彼の「質」が愉快だ グールド愛聴家でないのに(例えばキムタクがグールド・ファンだからという理由で) この本を手に取ったとしても、ひるむことはない。コード進行が分からなくてもロック・ ミュージシャンのインタビューやエッセイは十分に面白い。それと同じように「それって どういう音だろう、曲だろう」と想像しながら読んでいいはずだ。そして彼の軽妙な 語り口に導かれて「ゴルドベルグ」を1枚だけ聴いてもいいはず。。。 そういう訳出になっていることにとても好感が持てる素敵な1冊です 訳者・宮澤淳一氏の著作「グレン・グールド論」が、2005年度の吉田秀和賞を受賞した。 この「グールド発言集」は「グールド論」の後に発売されたものだが、 ここでも氏の丁寧な仕事ぶりが端々に感じられ、 読んでいて気持ちがいい。 この「発言集」は長編だが、少しも飽きることがない。 それはどこから読んでも話が通じる作りになっていることが大きいと思う。 そうした本の構成とは別に、グールドの発言はスジが通っていながら「いきなり飛ぶ」のが面白い。 例えば、シベリウスを敬愛していた彼が「もし人生の最後に無人島で一曲だけ聴けるとしたら?」との質問を受け 「シュトラウスの歌劇『カプリッチョ』」と答える。すると質問者が「シベリウスはヘンデルの『ラルゴ』ですって」と言うと 「絶句です」と答える。 また、フォスの『タイム・サークル』について 「ストラヴィンスキー(驚くに値しない存在)、ヴェーベルン(驚くべき存在)、マーラー(最も驚くべき存在)の様式や影響を まとめてシロップで煮込んだコンポートのよう」と解いてみせる…など… こういう「飛びかた」が方々にあり、グールド独特の音楽性、皮肉やユーモア、溌剌とした精神に触れられるのが嬉しい。 説明いっさい抜きの分だけ、読み手があれこれ思い巡らせる楽しさに溢れている。肩のこらない好著。 グレン・グールド発言集を楽天で検索 |