社会調査法入門 (有斐閣ブックス) |
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社会学の立場から社会調査にかかわってきた専門家による教科書である。社会調査の手法を様々な面から解説していて非常にバランスが取れている。社会調査の意義に始まり、企画、質問票の作成方法、サンプリング、統計分析、質的研究など必要な事柄すべてを網羅している。記述は平易であるが格調高い。私はこの本書によって社会調査法の魅力を知った。本書によって社会調査を学び始める人は幸運であると思う。 せいやまかずおは1948年(出生地不明)生まれ。東大大学院博士課程単位取得退学後,現在は東大人文社会系研究科(教授,社会学博士)。「まえがき」を見る限り,北海道で勤務していた形跡(北大?札幌大?北海学園大?)があるが定かではない。安田三郎・富永健一のゼミ生か? 『〈社会〉への知/現代社会学の理論と方法(上下巻)』,『統計学入門』,『制度論の構図』など。共著も多い。 題名が題名なので,単調で機械的で無機質な内容を予想していたが,はずれた。通常,この種の著作は単著ではなく編著が多いが,単著であることが著者のキャラクターを全編に醸し出せているからだろう。たとえば,「コラム6 SSM調査の職業コーディング」(146頁)で,分布を明らかにするための職業の分類で,その分類作業がいかに大変かを表現しようとして,「『コーディング合宿』と称して30人くらいの調査チームメンバーが泊り込みで作業に当たるのだが,それでも一週間近くはかかる。・・・終盤にさしかかると頃には,調査票を開いて『無職』という回答だったりするとホッとする」なんてこぼれ話的な挿話を教科書で開陳しているが,“無職”の回答者の出現にホッとするということの適否を別にすれば大いに笑える。“30人で1週間”というのが具体的でよい。別の箇所ではその人件費が“1万円”という記述もあった。社会調査には金がかかるのだ。ほかにも,「むろん,これは『発見する』といっても,研究者によってそういうものがあると推測されるものだから,間違っていることもある」(253頁)なんてのも,研究者として謙虚な著者のキャラクターがうかがえる。 残りの統計や確率の話は,とくに著者の個性が介在する余地のないもので,それほど面白くもないが,まぁ全体としては読み物としては面白かったな。(976字) 社会調査法入門 (有斐閣ブックス)を楽天で検索 |