うまいものには目がなくて (グルメ文庫) |
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1983年に新潮社から出た『うまいものには目がなくて』と、1984年に同じく新潮社から出た『食べてびっくり』を再編集して一冊の文庫本としたもの。 著者は美食家として知られ、料理誌『四季の味』編集長を務めた人物。本書に収められた17篇の美食探訪記は、同誌に連載された「味の巡歴」からピックアップしたもの。昭和50年代に書かれたものだが、現在も営業を続けている店の記事が選ばれており、巻末には掲載店の電話なども付いている。 厳選された高級店を食べ歩いた話ばかり。ロオジエ、志摩観光ホテル、招福楼、銭屋など、全国の有名店が次々と出てくる。どれも美味しそう。著者の厳しい批評眼(舌)にも感服させられる。器への注目がなされているのも特徴的。 しかし、心から楽しめたかというと、ちょっと。高級店が美味しいのは当たり前という気もするし、太鼓持ちっぽい文の調子も気にかかる。なにより、あまりに濃厚で品数も多く、一気に通読したら食傷してしまった。 この本は、「グルメ文庫」と名づけられているが、一般に「グルメ」という表現をされる人たちは、私にとっては、金にあかせた「食通」ぶった人というイメージでネガティブなものが多い。 にもかかわらず、山口瞳や吉田健一などの方々が、さりげない日常の「美味しいもの」を紹介してくれているので、違和感がなかった。 しかし、この本は、率直に言えば、雑誌や似非「グルメ」の紹介するイセエビや松坂牛を追い求めている。私自体もそういうことをしないとは言わないが、そんなことを、自慢したって仕方ないと思う。 残念 うまいものには目がなくて (グルメ文庫)を楽天で検索 |