科学ジャーナリズムの世界―真実に迫り、明日をひらく

科学ジャーナリズムの世界―真実に迫り、明日をひらく

売れ筋ランキング科学ジャーナリズムの世界―真実に迫り、明日をひらく  
科学ジャーナリズムの世界―真実に迫り、明日をひらく

科学ジャーナリズムの世界―真実に迫り、明日をひらく


価格:¥ 2,520(税込)
化学同人  (2004-07)
単行本 312ページ
売れ筋ランキング:85878
科学ジャーナリストの手法―プロから学ぶ七つの仕事術
サイエンスコミュニケーション―科学を伝える5つの技法
仮説の検証 科学ジャーナリストの仕事
宇宙・地球・生命・脳―その原理を求めて (朝日文庫―100億年の旅)
メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

 日本科学技術ジャーナリスト会議の会員など約30名が、日本と世界の科学ジャーナリズムの現状を実体験などに基づいて著した。
 日本科学技術ジャーナリスト会議(JASTJ=Japan Association of Science & Technology Journalist)は1994発足の科学技術ジャーナリスト集団で、ジャーナリストの育成や、優れた科学技術ジャーナリズム活動への表彰などを行っている。

 本は7部構成。総論、メディア各種、科学ジャーナリストの条件、科学テーマ別の論点、海外の科学ジャーナリズム、記者座談会、科学ジャーナリズム史と進む。新聞記者、テレビマン、雑誌経営者、フリーランサーなど、それぞれの立場から科学ジャーナリズムが論じられる。読者対象はまえがきによれば、「科学技術のニュースに関心をもつ人びと」であり、「科学技術ジャーナリストを目指す若い人たちや科学博物館・科学館の学芸員・解説員(インタープリター)、あるいは大学・研究機関や企業で科学技術関係の広報を担当している方々に読んでいただけたら」としている。

 科学ジャーナリズムの現状に書かれた本は希有。「科学ジャーナリズムとはどんなものか」を知ることができるという点では、『科学は正しく伝えられているか』(ウォーレン・バーケット著、1989年刊、原著1986年刊)と位置は近いかも。ただ、『科学ジャーナリズムの世界』のほうが出版年も新しく(2004年刊)、日本の科学ジャーナリズムが中心となっているので、ライブ感や親近感は強くもてるだろう。
帯もとってつけたような言葉です。

・新聞で科学記事を書く絶望的な困難さ

・ドイツ『PM』誌の成功

・森山和道さんのサイトの写真が載ってる、
 と思ったら本人が文章を書いていた。
 ネット上の科学ジャーナリズムについて。
 ・なぜ科学技術系サイトが少ないのか?金にならないから。
  新聞が売れるのは宅配制度と再販制度のおかげ。

  嘘だと思うなら記者はWebで人を集めてみてはどうか。
・電子出版について。
 インパクトファクターよりも検索hit数・download数のほうが実際の意味を反映しつつある


「科学報道」の今とこれからとを科学ジャーナリスト自らが伝える本です。

科学と技術と社会とが密接に絡み合った現代では、「科学報道」のカバーする範囲は広く、その使命は単に科学・技術と一般の人とをつなぐインタープリター(通訳)にとどまらない。「グローバルな発想」「市民の視点の重視」「面白い内容」が求められているという。果たして現場の科学ジャーナリストはそれぞれどのような思いを抱えてその生業に臨んでいるのか。「科学報道」の現状は?そのあり方とは?「科学ジャーナリスト」のあるべき姿は?

今までほとんど語られてこなかった(存在そのものがあまり認識されてこなかった)「科学報道」にまつわるあれこれが、第一線で活躍する科学ジャーナリストたちによって描かれていて興味深いです。自分たちの仕事の意味を深く掘り下げ、再確認し、それを書き表したこの作業は、これからの時代に向けた科学ジャーナリストたちの新たなる決意表明とも読めました。また共同体の中でのいわば暗黙の了解事項を明文化したことによって、「科学ジャーナリスト」も科学・技術・社会の動向に影響を及ぼすという点で、傍観者ではなくその担い手であることが明らかになったと思います。

現代社会は、いやでも科学・技術と切り離せません。本書は、科学・技術の情報伝達に関わる人、科学者・技術者、科学・技術と社会との関係を考える人はもとより「科学」の枠を超え、コミュニケーションにかかわる職に現在就いている人、あるいは将来その道を志す人、あるいはそれを研究対象としている人にお薦めです。

ところで「科学ジャーナリズム」に「楽しみ」は必要でしょうか?次世代を生きる子どもたちに対する「科学ジャーナリズム」の有り様は?科学・技術とうまく共存していくためには、「科学報道の王道」以外のメディアに関わる人の思いも読んでみたいです。


 新聞・TVの科学ジャーナリストが寄稿しており、科学報道の「今」が一通り理解できるつくり。新聞社・通信社の科学部記者、テレビ局の科学番組ディレクターが自分の仕事内容を紹介している。地方紙の科学記者の体験談は珍しいし、面白かった。

 また、米国とドイツの、一般向け科学雑誌事情が分かるのは貴重。日本ではほぼ絶滅したジャンルがどうして海外では生き残れたのか、なんてことをぼんやり考えた。

 科学ジャーナリストの条件とか、今後科学ジャーナリストを育成するにはどうしたらいいかとかも書いてあるが、そこはあまり面白くなかった。科学に限らず、ジャーナリストって、育成されてなるものではないんじゃないかと思う。

 あと、パソコンやコンピュータの雑誌を作っている人も、今や科学ジャーナリストにカウントされるような気がした。しかし、そのへんはフォローされていない。


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