石田徹也遺作集 |
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マグリット、ダリ、エッシャー、諸星大二郎、吉田戦車をミキサーに放り込み ぐちゃぐちゃに混ぜて大鍋で煮る。スパイスにサティ、森田童子など加えてコトコト三昼夜…。立ち上る湯気のむこうには、やわらかな虚無とうすら明るい不安がぼんやり見える…。 先週行ってきた遺作展で会場の片隅に「感想ノート」があったので、 そんな訳わかんないことを思わず書きつけてきました。 画集を見ても彼のすごさはひしひしと伝わるのですが、 生で見ると細部にも発見が多々あり新たな感動が…。 そして、どの作品も思っていたよりかなり大きく、本で見るサイズではなかなかわからないディティールの緻密さにも驚かされました。 その最たるものは「捜索」と題されたタタミ2畳ほどもあろうかという巨大な作品。 縦横に走る線路の枕木ひとつひとつの木の質感や陰影まで、気が遠くなりそうな精密さで 描きこまれており思わずことばを失いました。 彼にはもっともっと描き続けてほしかった。 もっともっとビックリさせ続けててほしかったです。 同県人であることを嬉しく思いながら、ご冥福をお祈りします。 石田徹也が生きていたとしても、彼を世に知らしめたのは日本人ではなかったと思います。 「幸せすぎて絵が描けない」と付き合っていた彼女に別れを告げ、 「良い絵が描けなくなる」と両親の支援を断る。 高い絵の具を買う為に深夜アルバイトをして切り詰めた生活を送りながら、 精力的に創作活動に励み残した作品は約180点。 ご両親が供養にと出版された僅かな初版は売り切れ、今では二万部をこえるベストセラーとなっています。 ただまっすぐに絵と向き合った画家、石田徹也。 無意味なキャラクターが大手を振る日本の現代美術のなかで、僕たちがもっと早く彼に追いつければ 「死んだから〜」なんていう人はいなかったはず。 作品よりもカスタマーレビューから自虐的な日本人像とそのネガティブな精神性をひしひし感じる。 作者がすでに故人だからだろうか? 一度観たら忘れない(それだけで芸術なんだろな)奇異で饒舌な作品群を気持ち良くとは言えないが面白く観賞した。 一貫してるのは潔癖的な透明感と実在感の薄さだろうか。 自分がどう感じるか試してみるのも面白い観方かもしれない。 今の生き難い時代には、この画集を見た多くの人が共感できるのではないでしょうか。石田さんの絵に共通するテーマは「生きる悲しみ」だと私は思います。 それぞれの絵から感じられるものは、自己嫌悪であったり、劣等感であったり、不安であったり、挫折感であったりします。そのような負の感情に共感できる人は、これらの絵を見ることで慰められ、勇気付けられることでしょう。 石田さんが画家として「生きる悲しみ」の表現に成功したということを、この画集は証明していると私は思います。 石井さんのことを知ったのは、まだご本人が活動されていた時、たまたま広告業界を扱うテレビ 番組で作品を見たときだ。 そのとき「こんな絵を描ける人がいるのか!」と、驚き・畏怖・不安が混ぜこぜになった大きな 感情の波が押し寄せた。 この人の絵を見るたびに、二面性を感じ取る。 世界を斜め上から俯瞰しているような外からの目線と、孤独感・無力感などの暗く満たされたい 感情を、自虐嗜好なんじゃないかと疑いたくなるほど徹底してさらけ出す、内からの目線だ。 彼の作品は、見る者に強烈なメッセージを送り続ける。 過激な構成とは反対に、冷静なタッチであるがゆえ、更に加速度をまして見る者を襲い続ける。 見たくない自分の中のマイナスの思いを、一片ずつ拾い上げて目の前で見せ付けられるような 気がするのだ。そして、思わず目を背けたくなる。 石田徹也遺作集を楽天で検索 |