生と死の北欧神話 |
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神々は滅びる定めにある。ラグナロクに向いながら、神々は濃厚な時を過剰に性急に生きる。美しい女神は性的に放縦である、トリック・スターはいたずら者の枠を超え、秩序を破壊し、完璧なるものを無残な虐殺に追いやる、力強い神は腕力のみを誇り思慮に欠ける、神々の王は叡智のために片目を差し出し、槍の傷を受けて世界樹に逆さ吊りになる。彼らの目眩めき活躍を創世神話から順に追い、言語学と民俗学、比較神話学の知見を総動員してラグナロク(神々の滅び)まで丁寧に辿るのが本著である。 著者は「ノット(夜)が駆る馬はフリームファクシ「霜のたてがみ」と呼ばれ、「毎朝、轡のはみから吹き出す泡で大地を濡らす」、という「朝露」を説明するポエジーにふれる。そして、神を語るイメージや自然現象を説明する詩的言語を丹念に読み解くことにより、神の存在意義を再構成できることを示す。狩猟女神スカジの名称は古ノルド語の普通名詞「危害、損害、死」に関連する、同系の古英語は「暗闇、死」を表徴する、そしてゴート語では「影」を意味する、それらを統合するとスカジは冬の「闇と死」を表徴し、ときとして「異界」より来訪し、「死や災難」をまねく女神であったことがよく理解できる、と語る。詩的言語は神話の原風景を垣間見せる。本著によりそのことを深く知ることができる。 著者はキリスト教の影響を蒙ることのなかった日本民俗の分析の方法を用い、北欧神話を分析する。日本神話・伝承から北欧神話へ、北欧神話・伝承から日本神話へ、著者は幾多の照射を試みる。一国民俗学、落日の日本民俗学、と揶揄されがちな日本民俗学の方法論は、著者によって別の可能性を開かれた。極西と極東の神話、民俗世界を比較検討することによって双方向に展開する知見は注目に値する。 注目する箇所は何点もありますが、著者は北欧神話に留まらず 日本神話から引用をし関連性を考察しているところが見所です。 遠く離れた日本と北欧にどのようなつながりがあるのか!? そして、題名どおり「生と死」を主題にしており、何点かの歌に 注目することで深い考察を行っているので北欧神話を今より くわしく知りたい人にはもってこいの一冊です。 生と死の北欧神話を楽天で検索 |