戦略としての家族―近代日本の国民国家形成と女性 |
|
売れ筋ランキング > 戦略としての家族―近代日本の国民国家形成と女性
明治時代における、家族制度と国民化の結びつきを新たな視点からとらえたオススメの一冊。 これまでも、そのようなことについて論じられることは少なくなかったが、それらはどれも国家による「家」制度を通した家族の支配や国民化に関するものであった。それに対して、本書では「家庭」という家族意識が明治20年ごろに現れたことをとりあげ、その「家庭」という意識を通して人々が主体的に「国民」になることを選びとっていったことを描きだしている。 筆者によれば、日本は前近代的な「家」制度をもとに産業化や国民国家をすすめたわけであるが、人々の家族意識は必ずしも「家」的なものではなかった。そこには「家庭」という親子が情緒的に結びつく「近代的」な意識(イデオロギーといってもよい)が存在した。 しかし、「家庭」という意識も結局のところ、国民化に適合的であった、と筆者は述べる。なぜなら、女性にとって「家庭」という意識を持つということは、良い国民を再生産しようと良き母・妻になることを意味し、人々を国家社会に組み込んでいく事をうながしたといえるからである。人々は、特に女性は、「家」制度への反発から主体的に「家庭」を選び取っていったわけであるが、それは国民化をさらにおしすすめるものであった。 政府が「家」制度を通して人々を「上から」国民化しようとしたとすれば、人々は自発的に「家庭」という意識を持つことにより、「下から」の国民化を自らおしすすめたといえよう。 戦略としての家族―近代日本の国民国家形成と女性を楽天で検索 |