薬師寺伽藍復興の夢 宮大工の後継者たち 西岡常一、宮大工の仕事を語る

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売れ筋ランキング薬師寺伽藍復興の夢 宮大工の後継者たち 西岡常一、宮大工の仕事を語る  
薬師寺伽藍復興の夢 宮大工の後継者たち 西岡常一、宮大工の仕事を語る

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価格:¥ 2,243(税込)
草思社  (1995-11)
/西岡 常一/
単行本売れ筋ランキング:544710
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 西岡常一の活躍については、触れるまでもないだろう。法隆寺宮大工の三代目として法隆寺や薬師寺の修繕や再建に当たり、その過程での建築学者との論争で関西を中心に知られるところとなり、龍村仁のTVコマーシャルで全国に知られるようになった。
 飛鳥建築の質の高さを絶賛し、釘やコンクリートを用いた再建では千年もたない「そんな事をしたら檜が泣きよりますよ」と大反対し、木の性質やその山での生育環境から特性を知り抜いて代弁し、「塔組みは、木の癖組み、人の心組み」という祖父からの口伝を伝えた。
 そのエッセンスは、本人も著書を出しているので、そちらでも充分に学ぶことが出来る。けれどもこのシリーズが尊いのは、1巻目の「法隆寺棟梁の家に生まれて」から10巻目の「薬師寺伽藍復興の夢 宮大工の後継者たち」まで、16歳年下の、青山茂との対話からなっていることにある。
 対話でないと聞けないことの一つは、西岡と青山の声である。どこにどのくらい強調して、相手に伝えようとしているのか、というこの声のトーンの次元は、文字にすると消失する質の一つである。そしてもう一つは、相手の話をよく聴いて、応えようとするそのお互いの気遣いである。青山は以前、毎日新聞の記者として、上述の論争の場を用意しただけでなく、この対話でも周到に準備をし、西岡の魅力を引き出すことに務めている。こうした相互に気心の知れたなかでこそ、西岡の声が生き生きと伝わってくるのである。
 こうした仲で、間を置きつつも要所々々で二人三脚のようにしてきた2人だったので、1995年5月の、巨大な樹木が倒れるような西岡の死は、青山に大きな衝撃を残した。同年11月に初版の出たこのカセットには、それゆえ、青山の嗚咽交じりでの「終わります」で、対話が唐突に途切れている。聴き終えて私は、当たり前だが、ここにも一つの人生があり、この人もまた一つの人生を生ききったのだ、と思った。
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