写真論

写真論

売れ筋ランキング写真論  
写真論

写真論


価格:¥ 1,680(税込)
晶文社  (1979-01)
/スーザン・ソンタグ/
単行本 221ページ
売れ筋ランキング:42567
明るい部屋―写真についての覚書
図説 写真小史 (ちくま学芸文庫)
他者の苦痛へのまなざし
反解釈 (ちくま学芸文庫)
写真論集成 (岩波現代文庫)

撮る人よりも、観る人のほうが圧倒的に多いのだ。
鼻にかかったプロ意識を振りかざしてソンタグを批判するのは、傲慢だし滑稽だ。
ソンタグは観る人だ。真摯に物事を観て、語る人だ。役割がちがう。
上の写真家先生はちょっと考え直してみたほうがいい。
日々、イメージに埋もれて、無感覚になることを防ぐために、落ち着いてそれぞれの写真を観て、
自分なりに論じてみることは、とても意味があることだ。その契機になる写真論だと思う。
私が読んだなかで優れてると思われる写真論は、ロラン・バルト『明るい部屋』、富岡多恵子『写真の時代』、そして本書です。 富岡は文学者ですが、バルトとソンタグは哲学者です。いわゆる写真評論家や写真家からなぜこのような著書が出てこないか不思議です。「いまはまさに郷愁の時代であり、写真はすすんで郷愁をかきたてる。写真術は挽歌の芸術、たそがれの芸術なのである」といった深い洞察力、知性に感嘆する名著。写真に関わる人の必読書であろう。
写真分野からのシュルレアリズム批判。自分は分かりにくい本だと思っていましたが、友人によれば、かなり簡単に読めるとのこと。しかし、写真史、特に七十年前後の「社会的風景展」が分かっていないと厳しい本だと思われます。アーバス、ウィノグランドなどは勿論のこと、ウェストンやアンセル・アダムス、またはアッジェやエヴァンズなどなど、きりがないほどの世界的に有名な写真家のことを知っておかないと理解できないだろうし、読む意味もないだろうと思われる。お勧めはできない。
 今やソンタグがこの本を書いた1977年とは異なり、カメラと言えばデジタルカメラのことを指す時代になった。そして、おそらくはソンタグが写真機だと思っていたようなものが、漸く21世紀になって我々の手に届けられたのである。それは、有り体に言えば「押せば見たままのものが写る」機械だ。

 しかしこの30年の間の写真機の進化たるや、畏るべきものである。1977年といえばどうにか絞り優先とシャッター優先が同居したAEが出ていた頃であり、プログラムAEを世に知らしめたキヤノンAE-1プログラムの登場は1978年だった。1985年のミノルタα7000で位相差検出式オートフォーカスが実用化され、その後も多分割測光や多点測距などの機能が付加されて、素人でも失敗しないで取りあえずは撮影が出来る機械へとカメラは進化してゆく。さらにレンズ内防振、デジタル時代になっての高感度対応にボディ内防振と続く。とはいえ、フォーマットによる視野の制約や焦点距離による画角の違い、絞り開度やシャッター速度、フラッシュ同調速度による描写の違い、ホワイトバランス、現像技術にプリント技術など、「見たまま」のものを画像化するには今なおソンタグの想像を絶する高度な職人芸が要求される。それが現実の、本物の写真の世界だ。

 本書の痛さは実にそこにある。「押せば見たままのものが写る」という、あまりにも素朴な理解を前提として構築されたこの写真論は、あくまでも「素人が知ったかぶりをして写真を語ってみせる」為の参考書にしか過ぎない。カレーライスを作ったことの無い人がカレーについて蘊蓄を傾けた本と同じくらいにナンセンスな一冊だ。
写真にあまり詳しくない人が写真について批判的に考える時の必読本。写真は事実を忠実に写し出すメディアではない。
写真論を楽天で検索