椅子と日本人のからだ

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椅子と日本人のからだ

椅子と日本人のからだ


価格:¥ 1,890(税込)
晶文社  (2003-12)
/矢田部 英正/
単行本 227ページ
売れ筋ランキング:121019
たたずまいの美学―日本人の身体技法 (中公叢書)
美しい日本の身体 (ちくま新書 638)
椅子 改訂版―人間工学・製図・意匠登録まで
美しい椅子〈3〉世界の木製名作椅子 (〓@53B2@文庫)
アレクサンダー・テクニークにできること―痛みに負けない「からだの使い方」を学ぶ

 表向きはイスの本のようですが、坐り方についての理論や民俗誌的な考察に多くのページが割かれています。身体の立場から見たイスのデザイン論と言えるでしょう。
 既存の姿勢理論に対する鋭い批判は痛快ですが、従来のイス研究がまったく触れなかった、東洋の坐法にまで踏み込んで、自分でイスまで作ってしまった筆者の心意気に脱帽。たいへん刺激を受けました。
 文体は読み易く、所々に紀行文のようにフィールドワークのエッセイが書かれていて、行間にも深みのある本です。食生活と姿勢の話は、身近なエピソードが親しみやすく、子どもの教育にも役立てたいと思いました。 
 最終章には方法論がしっかり書かれていて安心します。マルセルモースの「身体技法」についての読みの深さ、物づくりと身体にかんする論考も入念に構成されたものであることがわかりますが、やはりイスの良し悪しを判断するのは、「個々の作品から作り手の意図を丁寧に読み説く意外にない」というところなど、単なる机上の理論ではなく、作家としての真摯な姿勢を感じました。
 イスだけでなく、身体や生活作法に関心のある人にはたいへんお奨めです。
 椅子を作る者として、何か資するものがあればと思い読みました。
 民芸論の論調で、椅子と身体について語るとこうなるのでは、と思わせる内容です。
 車のシートと椅子を同列に論じる等、論理に粗雑さが目立ちます(もし仮に、椅子についてだけに限って論ずるにしても、作業用のものと寛ぐための物ととでは、同一には扱えないのではないかと考えます。)。
 椅子作りの実務に役に立つことを期待する読者には、お奨めできません。
 
 仕事中や移動中、長時間イスに座っていると本当に疲れる。イスを変えるだけで、きっと腰痛も肩こりも楽になるだろうな…。だけど本当に快適なイスなんてあるの? 本当に「良い座り心地」を与えてくれるイスってどんなの?

 そんな疑問を持つ人に、著者はとても明快な答えてくれる。別に腰痛や肩こりを治す魔法のイスの話が書かれているわけじゃない。身体を整え、感覚を研ぎ澄ませてくれるイスの話が書かれているのだ。
 イスを変えると、新しいライフスタイルが見えてくる。著者一流の「椅子から始まる新しい暮らし」が知りたい人にお薦めの一冊。


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