映画プロデューサーが語るヒットの哲学 |
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「映画」をビジネスとしてとらえる視点を学ぶには最適の本だと思います。 芸術に関わる「映画」など、えてして変に“夢”を抱きがち。映画業界に入って、その現実のシビアさと“夢”とのギャップに苦しむ前に、本書で心構えができると思いました。 映画配給会社・日本ヘラルド設立からかかわった著者が、映画宣伝および製作の仕事に携わった半生を「語った」一冊です。 私は高校3年生まで名古屋で暮らしたので、地元の日本ヘラルドには随分お世話になりました。水野晴男氏をゲストに招いての同社主催の映画クイズ大会が地元の映画館で行なわれ、それに応募して参加したのが確か中学生の頃。そして高校時代には「地獄の黙示録」がオスカーをいくつ獲得するかというクイズに当たって、半年間ヘラルド直営映画館で使える無料パスをいただいたこともあります。それを使ってあの時は「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」を3度無料で見せていただいたのを含め、20本くらいの映画を半年間で見ることができました。一介の高校生にとっては夢のような6ヶ月でした。それもこれもこの著者をはじめとする同社の皆さんの映画戦略の一環だったんだなぁということを懐かしく思い出しながら読みました。その節は大変お世話になりました。 ただしいかんせん、映画は芸術であると同時にビジネスの商品であるため、ヒットすることが良い映画、という視点から物事が論じられてしまう宿命があります。著者に知っていただきたいのは、ヒットした映画が無謬ではないということです。例えばアンジェロ・イシ著「ブラジルを知るための55章」(明石書店)によれば、「不夜城」という映画は日系ブラジル人の描き方に問題があると書かれています。原作小説には問題がないのですが、映画化作品のほうは外国人の描き方が不当であるとのことです。活字以上に影響力が大きい映画を作るに際しては、ヒットさせることの前に社会的責任を優先させてほしいなと思います。 日本では監督に比して、とかく影が薄くなりがちな映画プロデューサーの、 半世紀近くに渡る成功例・失敗例をテンポ良くまとめた好著。 いい意味での山師的な発想や、商人特有の抜け目無さを失うことなく、 映画の魔力に取りつかれ続けた男の体験談が面白くない訳筈は無い。 強くお薦め致します。 映画プロデューサーが語るヒットの哲学を楽天で検索 |