D.T.

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売れ筋ランキングD.T.  
D.T.

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価格:¥ 1,470(税込)
メディアファクトリー  (2002-08)
/みうら じゅん/ 伊集院 光/
単行本 221ページ
売れ筋ランキング:120179
のはなし
正しい保健体育 (よりみちパン!セ)
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青春ノイローゼ (双葉文庫)
童貞としての宮沢賢治 (ちくま新書)

思春期まっただなかの頃にこの本に出会っていたなら
きっと
「こんなこと考えてるの、自分だけじゃないんだ」
と励まされると思います。
それほど共感できる言葉の多い本です。

単に笑えるだけでなく「なるほど」と気づかされるところが多いのも
みうらさん&伊集院さんならではのモノの見方だと思います。
みうらじゅんと伊集院光による童貞対談
彼らの提示した論点は大変重要だ。

「はたして我々は本当に童貞を喪失できたのか?」

身体的な側面、女性の性器と自分の性器を結合したつまりSEXの経験を
喪失というならばおそらく童貞は喪失したことになるのだろう。
しかしだ。どこかおかしい。
あいかわらず妙に理屈っぽいし、妄想もする。
映画などの娯楽も相変わらずディティールに目が行くしマニアック。
そして何よりもあいかわらず女の子ともまともにしゃべれない!
そうだ、そうなのだ。肉体的には童貞を捨てることができたとしても、
俺たちは何も変わってない、童貞スピリットを持ち続けているのだ!
この本の著者両人は、そういった「心のKeep On童貞」を「D.T.」と命名。
対談で「D.T.」についての経験的、観察学的考察を加えている。
そして「一度実際に経験したことで想像力に足かせがついた「D.T.」に対して
宇宙の果てまでとどきそうな、ビックバンなみの無限の想像力を保持し続けている
童貞たちを称え逆説的な見解「童貞はかっこいい」にまでたどり着く。

その他にも、童貞や「D.T.」と対極に位置するモテ系、「ガハハ」系(ともに女性を物のようにあつかうことができる)の考察にも余念がない。
最後の童貞センター試験も受験するべきだろう。私個人としては注釈が結構ツボだったりする。
「若い頃から女にモテてきた男の想像力は犬以下である」ニーチェ

みうらじゅんと伊集院光が童貞と童貞の心を失わない元童貞(D.T.)のすばらしさについて熱く語る。

童貞の想像力は本当にすごい。ちょっとブラひもが透けて見えた、というだけで延々と妄想することができたりする。童貞はやさしい。女を性の道具として扱うようなことはしない。

童貞のコンプレックスが今まで数々の素晴らしい芸術や偉業を生み出してきた。これも童貞ならではの想像力(妄想力?)の賜なのだ。コンプレックスを持たず、女を蔑む「ガハハ」な男(最近はDQNともいう)には、こうした偉業は望み得ないのではないか。

少しでも早く捨て去るべきもの、として語られることの多い童貞だが、みうら、伊集院のように積極的に評価することがあってもいい。男みんなが童貞力を失わずにいれば、世界はもっと平和になることだろう。

と、いろいろ書きましたが、要は昔の「とほほ」な自分を思いだし、苦いながらも懐かしい想い出をかみしめられる本。楽しめました。
最初に本書を読んだとき、抱腹絶倒で、笑い転げるしかない、と感じた。この感想については、何度読んでも変わらない。渋谷知美『日本の童貞』が明らかにしたように、戦後日本男子のアイデンティティは恋愛&セックスに深く結び付けられていると言えるが、この結びつき方を、軽妙に崩して面白がるMJと伊集院の力量には感服させられる。

しかし気になる点も、何度か読んでいると徐々に出てくる。

たとえば、「イケメン=動物の事典を見れば生態がわかる」というような書き方をしたイントロダクションを読むと、文科系の知的能力における優位を変な形で誇示しているようで、あまり気分がよくない。結局童貞賛歌は、体育会系を見下すことでしか達成できない、のだろうか?

また、童貞を面白がることができる立場というのは何だろう?と考えると、本書で二人が認めているように、すでに童貞ではない(だからDTとして「擬似童貞」を楽しむ)ということなのかもしれない。とすると、本当の童貞の人には、救いにはならない。しかも、自分のセクシュアリティについて面白がれるというのは、実はセックスとは別のところに自分のアイデンティティの基盤を置くことができるという自信の表れではないのだろうか?(ここに、上記の「文科系の優位」問題がある)

とすると、童貞を面白がることのできる人というのは、結構恵まれた人なのかな?という気もしてくる。一見すると、男はみな童貞だったので(当たり前か)、誰もがこの本の世界に招かれているように見えるが、実際には入り口は狭い門なのかもしれない。

でも、本書が面白いことは間違いないけれど。


 童貞の期間が長ければ長いほど、創造力が磨かれる。だから、今童貞の青少年はその期間を引き延ばせ。既に童貞でない男は、童貞の頃の妄想を思い出せ。

 と、みうらじゅんと伊集院が熱く語る本書。ひたすら飲み屋のバカ話なのですが、かつて童貞だった身としては、やはり読み飛ばせないものがあります。QBBの「中学生日記」と並び、童貞の生態を追う書籍としては出色でしょう。そんなこと振り返りたくない方も多いかと思いますが。理屈っぽいもの好きには、これに小谷野敦「もてない男」を加えてもいいかな。できれば、リアル童貞の証言がもっと盛り込まれていれば、もっとよかったのですが。だから-☆。27歳童貞の渡辺君をトークに参加させたりとか。

 それにしても、後半の20代前半女性の、「(童貞だと分かるポイントは)リズムですね。」という発言には、かなり胸をえぐられました。きっと、僕にもリズムなんてなかったんだろうな、あの時…。


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