きもちのいい家 |
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前に一度テレビで手塚夫妻の設計した住宅を見たことがあり、 その時は建築家の名前も知らなかったが、 とにかく気持ちよさそうな家だという印象は強く残っていた。 そのためこの本の表紙を見かけたとき すぐにあの時の家だということが判って手に取った。 本書の目玉は、夫妻が手がけた個人住宅の紹介。 どの物件も、家の中からの眺めと居住性の 絶妙なバランスからなっており、 心底そこに住む家族がうらやましくなる。 家を買ってしまった/建ててしまった人には 私を含め、嫉妬にさいなまれる一冊である。 眺めるだけできもちいい写真集みたいな本ではありませんが、モノクロ写真や建築模型、スケッチや図面など豊富で、文章も飾らず平易なため、取り上げられる家の特長は十分想像できます。 第一部では、建築家夫妻が手がけた1999年の第一号から2004年までの個人邸を8件紹介しています。「設計した住まいを訪ねて」と題して、自ら施主に住み心地を尋ね、建築当時の経緯や裏話を振返ったりする会話を掲載しています。ここでは建築家は補足説明の役割に徹しているようで、押し付けや独りよがりは感じられず、施主が正直に家を気に入っている様子が伝わってきます。 このような企画は、建築家自身が作品に満足していなければ成立しえなかったでしょう。和やかな雰囲気の会話からは、何十年先までも見据えた長く住める家、飽きのこない家を目指す、建築家の人柄をも浮かび上がらせています。 第二部は「こんな家に住んでみたかった」と題し、自分たち自身のために設計した家を紹介しています。この自邸では、これまで施主のために設計した家と同様のコンセプトや仕様を踏襲し、自ら住み心地を実感して、その設計思想に間違いが無かったことを確認するものとなっています。 建築家の作品に共通する、専用薪ストーブ、オンドル式冷暖房、開口の大きい規格外の窓などについて解説されますが、そこにあるのは、「風通しや採光、天井高、開放感」といった建築の普遍的価値、「当たり前のことを追求することで、新しいものが生れる」という信条。 第三部では、「生活をデザインする」という視点から、建築に対する考え方、施主に対するアドバイス、建築家としてのバックボーンから将来の展望に至るまで言及しています。 「建築って理屈っぽいですよね。理屈を言っていかないとデザインが成立しないから。で、住み心地はいかがですか?」 理屈はともかく、住む人のきもちよさを一番大切にしている建築家だと思いました。 きもちのいい家を楽天で検索 |